アプリのバックエンド開発をお任せできるmBaaSを5サービス比較してみた
- AWS Mobile Hub
- Azure App Service
- Firebase
- mBaaS
モバイルアプリ開発を進めていく上で欠かせないツールとなっているのがmBaaSです。mBaaSを活用することでバックエンドの構築を任せることができ、自身は開発に集中することができます。
そこで、今回はmBaaSで提供されている機能をご紹介して、開発目的やサービス提供のケースにあった主要なmmBaaSのご紹介していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
mBaaSとは
mBaaSとは「mobile Backend as a Service」の略で、モバイルの利用や開発に必要なインフラ機能をAPIで呼ぶ出すことができるクラウドサービスです。データベース、ストレージ、認証、アナライズ、プッシュ通知など、一般的なインフラサービスを一括提供しているので、開発期間やコストを大幅に削減することが出来ます。
機能毎にサーバーを作成し、アップデートや障害対応をそれぞれ行ってきた従来の開発・運用体制を一新することができることから、現在主流のサーバーレスアーキテクチャーの一部と言えます。
mBaaSで提供されている主要な機能をご紹介
認証基盤
ユーザーを認証するための機能です。接続クライアント機器(PCやスマートフォン)毎の違いを気にすることなく、一定のセキュリティが担保された認証の仕組みを使うことができます。
データベース
システムやアプリの情報資産を保有するデータベース機能です。機能やクライアント毎に様々な種類のデータベースを用意する必要がなく、複雑な操作コマンドを覚える必要もありません。
ストレージ
すぐにアクセスでき、読み込み、書き込み、編集がユーザーライクにできるファイル共有の機能です。
プッシュ通知
クライアント機器への通知をリアルタイムに行う機能です。mBaaSによるアプリ開発でもっとも重宝される部分です。
ログ解析
ユーザーのアプリ利用ログを収集し、調査を行うことで満足度向上のためのフィードバックに活用できる機能です。
位置情報連携
ユーザーのアプリ利用時の現在位置情報に基づいて、提供しているアプリから周辺地域の関連情報をお知らせできます。
外部サービス連携
ほかのサービス(Twitter, Instagramなど)と連携し、SNSでの投稿を行うなど、開発したアプリの枠を超えたサービスを提供できる機能です。
代表的なmBaaSを5つご紹介
主要な3つのmBaaSを簡単な特徴と共にご紹介します。次に、国産の2つのmBaaSをを簡単な特徴と共にご紹介します。
AWS Mobile Hub
AWSが提供している各種サービスをまとめて設定できる機能です。データベースにはDynamoDB、プッシュ通知はAmazon SNSなど、既存の機能を設定しやすくしてくれますが、細かな設定は各サービス上で行わなければいけないため、AWSに慣れていないと難しい部分があります。
Firebase
Googleが2014年に買収したモバイル・Webアプリ開発のプラットフォームです。一般的なバックエンド機能の他、有名な分析ツールのGoogleアナリティクスもこちらで提供されており、アプリの利用状況やユーザーの特性を分析して開発・マーケティングに活かすことが出来ます。Android向けアプリ開発をする際は、Firebaseを使用することが多いです。
Azure App Service - Mobile Apps
Webサイトを構築するためのクラウドプラットフォーム「Web Apps」として始まりましたが、現在はこの名前になっています。Microsoft製品なので関連サービスへの親和性が高く、ActiveDirectoryとの認証やオンプレミスデータとの連携に強みがあります。
ニフクラ mobile backend
国産mBaaSでもっとも有名なものの一つ。国外系がサービスを買収するなどして、寄せ集め的な集合体になっているのに対して、こちらは一つのサービスとして開発されているため管理や利用が簡単なのが特徴。日本人エンジニアによる手厚いサポート目的で、有料契約する方も多いです。
AppPot
エンタープライズ向けのアプリを、モバイルアプリと同等の手軽さで開発できるよう目指しているmBaaSです。通常のmBaaSがサーバーサイドの開発・運用コストを抑えるのと比べ、AppPotはクライアント側の開発コストを削減するのに向いており、MEAP(Mobile Enterprise Application Platform)と呼ばれています。
ユースケースで考える!最適なmBaaSとは?
実際にアプリ開発をすすめるケースやシチュエーション毎に、適切なmBaaSはどれか考えてみましょう。
コンシューマ向けモバイルアプリ開発
多種多様な利用者が数多く存在するのがコンシューマ向けです。AndroidやiOSなどスマートフォン向け開発が主になります。Android開発であればGoogleアカウントとしてFirebaseの利用は必須となりますし、開発やサービス提供のスピードを考えると「探せばなにか用意がある」パブリッククラウド系がまず選択肢に入るでしょう。
ゲームアプリ開発
ユーザーの目線が最も重要になるのがゲームアプリ開発です。UIやレスポンスなど高い品質が必要不可欠で、耐障害性や手厚いサポートも求められます。突発的に全世界的な障害が起こることもあり、サポートもグローバル基準であるパブリッククラウド系よりは、国産クラウド系のmBaaSが向いているでしょう。
弊社トップゲート主催で過去にゲーム業界様向けGCP活用のポイントをまとめた記事がございますので、ご興味ある方は、ぜひ合わせてご覧ください。
エンタープライズ向け
大規模な業務システムのアプリ開発でも、mBaaSの活用が進んできています。他のシステムとの連携が重要となり、クライアント環境がある程度統一されているケースが多いことから、mBaaSの中では前述のAppPotなどになります。認証としてActiveDirectoryを利用している場合はAzureなども外せない形になります。カテゴリ的にはMEAP(Mobile enterprise application platform)の利活用が求められてくるシチュエーションになるでしょう。
実際に検証してみたい場合、無償枠が十分にあるパブリッククラウド系が使いやすいといえます。
mBaaSの料金体系のご紹介〜プッシュ通知の場合〜
各サービス毎にライセンス体系や利用シーンが異なるため、単純な比較はできませんが、参考までに価格をご紹介します。
AWS Mobile Hub
プッシュ通知のみだと0.50USD/100万通知です。別途無料枠があります。
Firebase
プッシュ通知の利用は無料です。他サービスとの組み合わせで利用されるシーンで提供されています。
Azure App Service - Mobile App
Notification Hubsとして提供があります。スケジュールによる通知が可能なスタンダードプランが22,000円/月です。サブスクリプション毎の1,000万通知が用意されており、追加分の購入も可能です。
ニフクラ mobile backend
月に1,000万プッシュ通知が行えるExpertプランが50,000 円 ⁄ 月(税抜)です。当然他のmBaaS機能は網羅されています。
AppPot
個別機能として提供されているユーザライセンスのサブスクリプション型(月額)プランが500円/ユーザー。コアライセンスだと25,000円/コアになります。
まとめ
主要3社のmBaaS、国産2社のmBaaSの説明と、ケース毎の利用シーンについてご紹介しました。
まだオンプレでのサーバーサイド開発が行われている現場も多いと思いますが、いち早いサービスインを実現し、ビジネススピートを一変させるmBaaSの利用を検討されてみてはいかがでしょうか?
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