マネージドサービスとフルマネージドサービスの違いとは?メリット・デメリットまで徹底解説!
- フルマネージドサービス
近年、クラウドサービスの普及に伴い、「マネージドサービス」と「フルマネージドサービス」という言葉をよく耳にするようになりました。どちらも似ている単語ですが、あなたは、正確な違いを説明できますでしょうか?
同じサービスだと思っている方も多いですが、実は「マネージドサービス」と「フルマネージドサービス」は、明確に異なるものとして使い分けられています。本記事では、「マネージドサービス」と「フルマネージドサービス」の違いについて、両者のメリット・デメリットにも触れながら、詳しくご説明します。
目次
マネージドサービスとは?
マネージドサービスの概念
「マネージド」とは「管理する」という意味です。マネージドサービスとは、お客様に代わってサーバーを管理代行するアウトソーシングサービスの総称です。マネージドサービスは2000年代から一般的なものとして認知されていましたが、2010年代のクラウド普及に伴い、多くの企業に広く提供されるようになりました。
サーバーを管理するためには、多くの業務を対応する必要があります。例えば、ハードウェアの調達や運用中の監視、障害対応など多岐にわたります。
加えて、管理対象は物理的な機器に留まらず、データセンターやネットワークも対応範囲に含まれます。そのため、予期せぬトラブルやリソースの追加により、コスト・人員負荷が高まるケースも多くなります。
これらの一部をアウトソーシングできるのが「マネージドサービス」です。マネージドサービスの活用によって人員を最小限にし、一定のコストでサーバーを運用管理することが可能になります。2000年代に「選択と集中」が注目され、情報システム部門が業務の見直しが迫られた結果、管理業務の一部を外部プロバイダーに依頼するマネージドサービスが広く普及しました。
マネージドサービスのメリット
本来、障害復旧には専門の技術と経験が求められるため、社内での人材育成は困難なケースが多いです。しかし、マネージドサービスは管理業務を外部委託できるため、自社で人材育成を行なう必要はありません。
また、プロのサーバー監視により、障害の発生自体を抑止できる点も大きなメリットだと言えます。万が一、障害や故障が起きても突出した経費が発生することはありません。マネージドサービスは一定金額での契約となるため、コストの平準化を図ることができ、予算計画を容易に立てられるようになります。
さらに、運用管理にかかる自社リソースを別の生産的な業務に配置することができます。エンジニアは本来注力すべき業務に集中できるため、会社の生産性向上に直結します。
マネージドサービスのデメリット
マネージドサービスのデメリットは、「サービスの範囲が限られる」という点です。会社によって提供するサービス範囲が異なるため、自社が希望するサービスが実現できない可能性があります。
また、マネージドサービスは一部業務の代行であり、範囲外の部分は自社で対応しなければいけません。一定範囲は外部プロバイダーに作業を巻き取ってもらえますが、言い換えると、その部分のノウハウは自社に蓄積されない、というデメリットにもなり得ます。
フルマネージドサービスとは?
フルマネージドサービスの概念
フルマネージドサービスは、マネージドサービスではカバーできない部分を解決するために提供されているものです。
マネージドサービスが一部業務の代行であることに対して、フルマネージドサービスは、ほぼすべてのサーバー管理をお客様に代わって代行します。例えば、マネージドサービスでは一般的にオプション扱いになる「セキュリティ監視」や「24時間365日の障害対応」も、フルマネージドサービスでは標準で提供されています。
万が一、サーバー障害が発生した場合、マネージドサービスは事前に決められた範囲のサポート対応しか受けることができません。範囲外の調査・復旧を依頼するためには、ユーザー負担で追加料金が発生します。
一方で、フルマネージドサービスではプロバイダーの専任エンジニアが対応し、再発防止のための設定改善などを一気通貫で実施します。
フルマネージドサービスのメリット
フルマネージドサービスのメリットは、サーバー管理をすべてアウトソーシングできる点です。自社とプロバイダーとの間で、業務の線引きに迷うことはありませんし、煩雑な業務をすべて委託することで、自社はアプリケーション開発やWebサイト運営など、生産性の高い業務に専念することができます。
また、サーバー管理のすべてをアウトソーシングできることから、自社で知識や技術を蓄積する必要がありません。サーバー運用を安心して任せるためにも、信頼できるプロバイダーを選定し、作業内容を細かくすり合わせた上で契約することが大切です。
フルマネージドサービスのデメリット
フルマネージドサービスの場合、アウトソーシングできる作業が広範囲なため、それだけ「マネージドサービス」と比較するとコストは割高になります。社内で管理担当者をアサインした場合を想定し、コスト比較を行なった上でサービスを検討してください。
また、フルマネージドサービスはすべてを外部委託するため、マネージドサービス同様にノウハウを自社に蓄積することはできません。中長期的な人材育成を視野に入れている場合は、フルマネージドサービスは避けた方が良いでしょう。
マネージドサービスとフルマネージドサービスの違い
セキュリティ診断とアップデート対応
マネージドサービスの場合
マネージドサービスでは、ユーザーが自身でセキュリティ診断を実施して、アップデートの適用可否を判断する必要があります。適用時のメンテナンスページ切り替えもすべてユーザー側の作業であり、サービス提供会社はアップデート作業を実施するのみです。
フルマネージドサービスの場合
フルマネージドサービスはサービス提供会社が脆弱性情報を収集して、アップデートの適用可否を判断します。必要なものはユーザーと協議した上で適用を実施し、メンテナンスページ切り替え等も含めて、サービス提供会社が作業を巻き取ります。
サービス障害時の対応
マネージドサービスの場合
マネージドサービスの場合、サービス障害時の対応は検知のみであるケースがほとんどです。ユーザーが指示をすればリブート(再起動)等を実施しますが、検知内容の精査やリブート判断はユーザー側の作業になります。また、原則としてマニュアルに沿った対応に留まり、サーバー設定変更などはユーザーが具体的に指示する必要があります。
フルマネージドサービスの場合
フルマネージドサービスでは、検知だけでなく障害原因の調査までをサービス提供会社が実施し、リブート(再起動)が必要な場合はリブートまで実施します。このようにサービス障害時における必要作業は、各種判断も含めて一気通貫でアウトソーシングすることが可能です。さらに対応マニュアルがなくても、サービス提供会社のエンジニアが原因調査、設定改善などを能動的に実施します。
設定変更
マネージドサービスの場合
マネージドサービスでは、ユーザーが設定したい内容をパラメータレベルで指定する必要があります。つまり、サーバーに関する一定の知識が求められることになります。
フルマネージドサービスの場合
フルマネージドサービスでは、相談ベースでサービス提供会社に依頼することが可能です。専任のエンジニアが設定要望や目的を考慮して、最適な設定を提案してくれます。専門知識がなくても設定変更を進められる点は、フルマネージドサービスの大きな魅力であると言えます。
改善提案
マネージドサービスの場合
マネージドサービスの場合、ユーザー自身がオプションサービスなどを選択し、能動的に改善提案を行なう必要があります。また、改善に繋がるサービスを見つけることもユーザー側に求められる作業です。
フルマネージドサービスの場合
フルマネージドサービスの場合は、知識が無くても専任のエンジニアに実現したい内容を相談すれば、改善提案を受けることが可能です。プロの目線から多角的な提案を行なってくれるため、スピーディーな運用改善が可能になります。
サーバー管理者の責任範囲
マネージドサービスの場合
マネージドサービスの場合は、サーバー管理の責任はユーザー側となるケースが一般的ですが、フルマネージドサービスでは、管理業務に対してサービス提供会社が責任を持つ契約となることが多いです。
フルマネージドサービスの場合
フルマネージドサービスは、サーバー管理者の責任も含めてアウトソーシングできます。そのため、安心して日々の運用を進めていくことができます。
自社に合ったサービスの選び方
マネージドサービスがオススメのケース
できるだけ費用をかけたくない場合は、マネージドサービスの利用がオススメです。
委託できる範囲は限られますが、その分発生するコストを最小限に抑えることができます。ただし、決められた範囲以外は自社で管理・運用する必要があるため、サーバー管理者やITエンジニアなどの人材が必要になる点は注意してください。
マネージドサービスを検討する際は、自社とサービス提供会社との間で、作業や責任範囲を明確にしておくことが大切です。トラブルに発展しないように事前に細かく決めておきましょう。
フルマネージドサービスがオススメのケース
サーバー管理業務を完全にアウトソーシングしたい場合は、フルマネージドサービスの利用がオススメです。
マネージドサービスよりも費用は高くなりますが、すべての作業を外部へ委託することが可能になり、自社リソースを生産的な業務に割り当てることができるため、企業経営に関わる重要なポイントに集中することができます。
自社の目的、課題、予算などを踏まえながら、サービス提供会社と連携しつつ検討していきましょう。
まとめ
本記事では、マネージドサービスとフルマネージドサービスの違いと、それぞれのメリット・デメリットをご紹介しました。
現在、サーバー管理のアウトソーシングは急速に普及しており、さまざまな企業がマネージドサービスやフルマネージドサービスを利用しています。これらの活用により、サーバー管理の工数を大幅に削減することが可能になり、生産性の高い業務にリソースを集中することができます。
マネージドサービスはコストを抑えられる反面、作業範囲が限定的であり、フルマネージドサービスはコストが高い反面、すべてを任せることができます。どちらも一長一短な部分がありますので、自社の目的や予算を踏まえながら、最適なサービスを選ぶことが大切です。
本記事を参考にして、サーバー管理のアウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。
弊社トップゲートでは、Google Cloud (GCP) 利用料3%OFFや支払代行手数料無料、請求書払い可能などGoogle Cloud (GCP)をお得に便利に利用できます。さらに専門的な知見を活かし、
- Google Cloud (GCP)支払い代行
- システム構築からアプリケーション開発
- Google Cloud (GCP)運用サポート
- Google Cloud (GCP)に関する技術サポート、コンサルティング
など幅広くあなたのビジネスを加速させるためにサポートをワンストップで対応することが可能です。
Google Workspace(旧G Suite)に関しても、実績に裏付けられた技術力やさまざまな導入支援実績があります。あなたの状況に最適な利用方法の提案から運用のサポートまでのあなたに寄り添ったサポートを実現します!
Google Cloud (GCP)、またはGoogle Workspace(旧G Suite)の導入をご検討をされている方はお気軽にお問い合わせください。
サーバー管理のアウトソーシングにご興味がある方におすすめの記事をご紹介!
最後までご覧いただきありがとうございます。トップゲート編集部がこの記事を読んだ方におすすめしたいGCP関連の記事を厳選します。GCPは、サーバー管理のアウトソーシングできるサービスの一つです。
GCPの料金体系に関する記事、GCPとAWSの料金比較に関する記事、3大クラウドの比較記事をピックアップしました。ご興味ある記事をぜひご覧ください!
【2020年最新】GCPとAWSでの利用料の費用(コスト)比較をしてみた!
サービス概要からGCPの想定利用料を計算してみよう!コスト試算のやり方紹介
3大クラウドAWS、Azure、GCPの機能を比較したら見えてきたサービスごとの違いと特徴とは?
GCPはどこで契約すれば良い?メリットが多い代理店経由がオススメ
弊社トップゲートでは、TOPGATE Broadcaster と称してウェビナーを定期開催しております。
- クラウドに関すること
- Google Cloudの最新情報やお役立ち情報
- テレワークに関すること
など、 仕事で差がつく情報を忙しいビジネスパーソンのために短時間でコンパクトにお届けしております。
参加者さまからの「わかりやすかった」「勉強になった」など好評いただいております。取っ付きにくい内容も講師がわかりやすく解説しておりますので、お気軽にご参加ください。
メール登録者数3万件!TOPGATE MAGAZINE大好評配信中!
Google Cloud(GCP)、Google Workspace(旧G Suite) 、TOPGATEの最新情報が満載!