【IoTとは?】ビッグデータ、クラウドとの違いや関係性まで一挙紹介
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近年、至るところで「IoT」という言葉を聞くようになりましたが、あなたはIoTを正しく説明できますでしょうか?現代において、IoTは欠かすことのできない重要な技術のひとつになっています。
IoTの活用により、今まで不可能と思われていたことが可能になり、企業の生産性向上やコスト削減を実現することができます。本記事では、IoTの基本的な内容から、クラウドとの違いや関係性、実際の活用事例まで一挙にご紹介します。
目次
IoTとは
「IoT」とは「Internet of Things」の略です。「モノのインターネット」と訳されることが多く、物理的な「モノ」自体にインターネットの仕組みを搭載することを意味する言葉です。
インターネットの活用によって、あらゆるデバイスや感知センサーをサーバーと接続し、情報をやり取りすることで、サービス提供やデバイス制御、データ収集などを行うためのシステムです。
社会情勢の変化が激しく、さまざまなサービスのニーズが多様化する現代においては、大量のデータを取得・分析することで、常に時代にあった内容にブラッシュアップする必要があります。そのためには、大量のデータをリアルタイムに管理するためのIoT導入が必要不可欠になっています。
IoTの構成要素
データ取得
IoTの構成要素として、最も大切なものがデータ取得です。まずはデータを取得しないことには、その先の戦略を検討することはできません。
取得するデータは、温度、湿度、気圧、位置データ(GPS)などの一般的なものから、加速度やジャイロセンサーによる角速度、PCやスマートフォンの操作ログなど、目的に応じて多くのデータが対象になります。
最近では、センサーの小型化やコストの低下、省電力化の実現に伴い、あらゆるデータを大量に採取することができるようになりました。
データ集約
IoTでセンサーやデバイスが取得したデータは、1カ所に集約する必要があります。このデータ集約においては、「無線通信」と「クラウド」の技術がとても大切です。
センサーやデバイスをネットワーク接続するためには、有線と無線の2種類の方法があります。特に無線通信は通信ケーブルが不要なため、センサーを設置する上での自由度が高まるというメリットがあります。また、技術発達により無線通信の装置は低価格化かつ小型化されており、省電力化も進んでいます。
一方で、懸念として挙げられるのが電源の問題です。デバイスの場合はバッテリー利用で解決しますが、センサー単体では難しい面もあります。最近では、バッテリーや太陽電池で動作可能な、センサーと無線ユニットを組み合わせたモジュールタイプのセンサーが数多く登場しており、通信ケーブルや電源を必要とせずにセンサーネットワークの構築が可能です。
また、IoTにおいてはクラウドも重要な技術です。収集したデータはサーバーに集約されますが、IoTによるデータ収集の特長は、対象エリアが従来よりも格段に広いという点です。そのため、クラウドサービスを活用することで、情報収集のエリアに応じた柔軟なスケールを実現することができます。
もちろん、自動車や建設機械、スマートフォンなど、モノ自体が不特定の場所に移動するケースでも、クラウドであれば、いつでもどこでもデータ収集が可能になります。
データ解析
集約したデータは、解析することで初めて意味を成します。データ解析には統計学をはじめとした多くの手法が利用されますが、近年ではAIを活用した解析が注目を浴びています。
煩雑かつ大量のデータを多角的に分析し、その中から傾向を見出すことで、従来は把握していなかった新しいビジネスのヒントを発見することができます。AIによる解析基盤もクラウドで提供されている場合が多く、その意味においてもクラウドは重要な技術であると言えます。
AIによるデータ解析はサーバーに強い負荷が掛かるため、物理サーバーで実行する場合は設備投資コストが莫大になるケースも少なくありません。そのため、AIによるデータ解析は、従来は資本力のある大企業や研究機関に限られていましたが、クラウドの登場により、比較的安価なコストで手軽に実現することが可能になりました。
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IoTとビッグデータの関係
ビッグデータとは
「ビッグデータ」という単語を聞くと、大容量データをイメージしがちですが、IT用語辞典では、ビッグデータは下記のように定義しています。
ビッグデータとは、従来のデータベース管理システムなどでは記録や保管、解析が難しいような巨大なデータ群。明確な定義があるわけではなく、企業向け情報システムメーカーのマーケティング用語として多用されている。
多くの場合、ビッグデータとは単に量が多いだけでなく、様々な種類・形式が含まれる非構造化データ・非定型的データであり、さらに、日々膨大に生成・記録される時系列性・リアルタイム性のあるようなものを指すことが多い。
今までは管理しきれないため見過ごされてきたそのようなデータ群を記録・保管して即座に解析することで、ビジネスや社会に有用な知見を得たり、これまでにないような新たな仕組みやシステムを産み出す可能性が高まるとされている。
※引用:IT用語辞典(ビッグデータ)
また、ビッグデータは以下の「3つのV」から構成されると定義されており、それぞれが重要な意味を持っています。
- Volume(データの量)
- Variety(データの種類)
- Velocity(データの発生頻度・更新頻度)
つまりビッグデータは、単にデータ量の大きさだけを意味する訳ではなく、さまざまな要素を複合的に含んだ言葉である、という点を理解しておく必要があります。
IoTとビッグデータの違い
記事の冒頭に記載した通り、IoTとは「モノのインターネット」であり、インターネット技術を活用することでデータを取得するための仕組みそのものです。一方、ビッグデータは「データそのもの」であるため、IoTによって取得される温度、位置情報、ログなどのデータを指しています。
このように、IoTとビッグデータはまったく異なるものであり、「センサーやデバイスからビッグデータを取得・解析するための仕組みがIoTである」という考え方がわかりやすいでしょう。
IoTとビッグデータの関係性
従来、企業が活用するデータは、構造化データがメインとなっていました。構造化データとは、顧客名や住所など形のあるデータを指す言葉です。
しかし、昨今は非構造化データとIoTデータの増加により、企業の保有データは膨大なものになっています。非構造化データとは、SNSでの口コミなど形の決まっていないデータを指しており、IoTデータとは、現実世界に設置されたモノから得られるデータを意味します。
ビッグデータは、これらの構造化データ、非構造化データ、IoTデータ化から構成されています。ビッグデータ活用により、業務改善を実践しようと考えている企業にとって、IoTデバイスから取得できるデータは必要不可欠なものであると言えます。
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ビッグデータ解析はBigQueryがオススメ
ビッグデータを解析するサービスは多く存在しますが、オススメはGoogle CloudのBigQueryです。Googleの強固なインフラをベースに作られているため、データの処理速度が圧倒的に早いです。
また、BigQueryはデータベースの専門知識がなくても扱えるほど使いやすいサービスである点と、コストパフォーマンスが高い点は大きなメリットです。データ量を分析前に把握することができるため、処理に要する目安料金をあらかじめ算出でき、安心してサービスの利用を進めることができます。
さらに、Google Cloudを販売パートナー経由で導入することで、パートナー企業から運用のアドバイスを受けることができます。Google Cloud(BigQuery)は高機能なサービスであるが故に、活用方法に迷ってしまうケースも多いです。そのようなときに、プロの目線から最適な活用方法を提案してくれる点は、とても嬉しいポイントです。
ちなみに弊社トップゲートは「日本で最初のGCPトレーニングパートナー」であり、運用アドバイスとあわせて、ユーザー向けのトレーニングも実施しています。トレーニング参加者は累計4,100名以上にのぼり、過去のノウハウや経験から、Google Cloudを「これから使い始める方」または「もっと活用していきたい方」に対して、丁寧でわかりやすいトレーニングを提供しています。
BigQueryとトレーニングに関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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IoTとクラウドの関係
IoTとクラウドの違い
クラウドとは「インターネット上の仮想基盤」を意味する言葉です。PCやスマホなどの端末にデータを保存するのではなく、インターネット上に存在する仮想空間(サーバー)に保存して、運用することを「クラウド化」と言います。
IoTがデータを取得するための仕組みであるのに対して、クラウドは取得したデータを保存したり、解析を行うためのプラットフォーム的な位置付けになります。このように両者はまったく異なるものとして、区別されています。
IoTとクラウドの関係性
IoTとクラウドは切り離せない関係にあります。IoTでセンサーやデバイスから取得した情報は、インターネットを通じてサーバーへ送信され、保管されます。しかし、従来のようにオンプレミスで運用する場合は、莫大な初期コストと運用工数が発生します。
そのため、データ収集や解析は企業にとってハードルが高いものでしたが、クラウドが登場したことで、必要なものを必要な分だけ低コストで利用できるようになりました。これにより、データ活用の敷居は下がり、いまや一般的なものとして多くの企業に浸透することになりました。
つまり、クラウド活用によるデータ保管・解析の考え方の変化が、IoTが世の中に広まるための強い促進剤になったことは間違いありません。
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IoTの活用事例
医療分野
現在、医療分野ではウェアラブル端末が注目されています。例えば、Apple WatchやFitbitなどを着用することで、患者の心拍数や血圧などリアルタイムなデータを計測することができます。
また、蓄積したデータを元に健康状態の傾向を把握できるため、病気の予防にも直結します。クラウドによるデータ分析を実施すれば、他にも幅広い用途でデータを活用することが可能です。
さらに、取得したデータを医師へスピーディーに共有することで、離れた場所でも患者の容体を確認でき、緊急時でも素早く診断・処置を行なうことが可能になります。病後のリスク管理や日々の健康管理にだけでなく、在宅医療の推進や医師不足の問題解消にも大きく貢献します。
物流分野
仕分け、棚入れ・棚卸し、ピッキング作業におけるロボティクスを応用したシステムの導入が倉庫作業における代表的なIoT活用例です。
例えば、Amazonの倉庫はインターネット経由の注文に応じて、担当作業員の位置まで棚が自動で移動するシステムが導入されており、人間が広い倉庫内を歩き回る必要がありません。このシステムによって大量の注文が効率よくさばけるようになり、素早く顧客の手元に商品を届けるAmazonの強みを支えてます。
製造分野
製造業におけるIoTの代表的な例として、「スマートファクトリー」が一般的に使われています。工場内の機器やシステムがインターネットと繋がっており、リアルタイムにデータを取得することができます。
在庫数や従業員の状況などをリアルタイムにデータ化することで、新しい課題発見や今後の運用検討に役立てることが可能です。生産性向上や業務効率化など、多くの観点から注目されています。
例えば、画像解析により作業員の逸脱動作や設備・材料の不具合などの異常を早期に発見することで、スピーディーに然るべき対策を講じることができます。
農業分野
農林水産省は「スマート農業」というものを推進しており、一次産業である農業においてもIoTの活用が進んでいます。
農業を効率的に進めるためには、日々変化する天気や気温などに柔軟に対応する必要があります。従来は、農家の経験にもとづいた「勘や感覚」で行なっていましたが、スマート農業ではデータを活用した効率的な運用を実現しています。
例えばハウス栽培では、センサーが感知した日射量や土壌から、水や肥料を散布する際の最適なタイミングや量を算出し、作業を自動化します。加えて、遠隔地からハウス内の温度や空調をコントロールできるため、人の負荷をかけずに理想的な管理状態を保つことが可能です。
交通分野
近年、IoTを活用した新しい交通の在り方が注目されています。
例えば、バス停にQRコードを設置して、スマホで読み取ると運行状況を確認することができます。また、「Uber」や「Japantaxi」などのアプリを活用することで、タクシー会社へ電話せずに配車することが可能になりました。
他にも、「ドラぶら」というアプリで高速道路の渋滞状況を即座に把握できたり、「駅すぱあと」というアプリでは電車の遅延状況をリアルタイムに確認することができ、迂回用の別ルートまで表示してくれます。
このようにIoTを駆使したアプリの登場によって、交通分野における利用者の利便性は大きく向上しました。
まとめ
IoTについて、理解を深めていただけましたでしょうか。IoTはビッグデータやクラウドと混同されがちですが、明確に異なる意味を持つ言葉です。
変化が激しく、消費者ニーズが多様化する現代を生き抜くためには、さまざまなデータを取得・解析し、企業としての方向性を定めていく必要があります。そして、IoTを効率的に実現するためには、クラウドを利用して強固な基盤を固めていくことが大切です。
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