Google Workspace で生産性向上!エンタープライズ機能を活用した DX 支援とは?
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本記事は、2021年8月31日に開催された Google の公式イベント「コラボレーションクラウドサミット」において、 Google Workspace 戦略本部の戦略的アカウントスペシャリストである川村博隆氏が講演された「 Google Workspace のエンタープライズ機能を活用した DX 支援」のレポート記事となります。
今回は、現代の日本企業を取り巻く課題や動向を整理した上で、 Google Workspace を活用した具体的な DX 支援についてご説明します。また、 Google Workspace の導入による想定効果についても、定量的な数値を用いてわかりやすく解説しています。新たなビジネスモデルを生み出すための DX 実現に向けて、多くのヒントが見つかると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
なお、本記事内で使用している画像に関しては、コラボレーションクラウドサミット「 Google Workspace のエンタープライズ機能を活用した DX 支援」を出典元として参照しております。
それでは、早速内容を見ていきましょう。
目次
企業を取り巻く課題と動向
ワークスタイルの変化
昨今、新型コロナウイルスの感染拡大をはじめとした社会的な背景により、企業のワークスタイルが大きく変化しています。仕事は前例のない形へと変わり、従業員は急激な環境変化への対応を余儀なくされています。
世界的なリサーチ会社であるガートナーの調査によれば、調査対象のうち 48% の従業員が COVID 後もリモートワークを続けると推測されています。また、働く親の4人に1人が介護を行っており、時間がかつてないほど貴重なものとなっています。
さらに、企業においては1社あたり平均129種類のアプリケーションが存在しており、複数アプリケーションの混在が組織の生産性を低減させる原因となっています。加えて、リモートワーク中心のワークスタイルにシフトしたことで、従業員の3人に1人が仕事における孤独感を感じています。
このように、日本企業では様々な課題が顕在化しています。ニューノーマル時代を企業が生き抜いていくためには、従業員のモチベーションを維持し、かつ、組織の生産性を向上させるための工夫が必要だと言えるでしょう。
日本企業における DX の取り組み状況
次に日本企業における DX の取り組み状況を見ていきましょう。電通デジタルの調べによれば、2018年時点では「63% の企業が DX に着手している」との調査結果が発表されています。そして、企業の DX に対する取り組みは年々加速しており、2019年時点では 70% 、2020年時点では 74% の企業が DX に着手しています。
その一方で、 DX を進める中で課題に直面している企業も多く、大半は DX 推進における支援体制に不安を覚えています。ビジネスモデルを変革するための新しい IT システムの導入や IT 人材の育成などが足枷となり、 DX が思うように前進しないのです。そのため、企業が DX を実現するためには、これらの課題を解決し、効率的に企業変革を進める必要があります。
Google Workspace による変革支援
前項でご説明した課題を解決するためには、 Google Workspace が有効なサービスになります。 Google Workspace は新型コロナウイルスが猛威を振るう以前から、企業の変革支援をサポートする様々な機能を拡充してきました。
例えば、 Google Meet や Google チャットなど、場所に依存しない働き方を実現するためのソリューションが挙げられます。さらに、 Google Workspace に搭載された多彩な機能により、限られた時間を最大限に活用できますし、人同士の繋がりを強めることでイノベーションを生み出すことが可能になります。
詳しくは次章でご説明しますが、このように Google Workspace は企業変革を力強くサポートするサービスとなっています。Google 自身も Google Workspace を活用して日々の業務を行なっており、利用者目線で便利な機能をアップデートしている点も重要なポイントだと言えるでしょう。
Google Workspace による DX 支援
本章では、 Google Workspace による DX 支援について、具体的な内容をご紹介します。大きく分けて、以下5つの観点からご説明します。
それでは、各項目について順番に見ていきましょう。
効率化と時間の節約
Google Workspace の大きな特徴として、「統合された UI による効率的なコラボレーション」が挙げられます。これは G Suite から Google Workspace へリブランドした際のコンセプトにもなっており、 Google が強く重要視しているポイントです。
例えば、 Gmail や Google チャット、 Google Meet 、 Google ドキュメント、 Google スプレッドシートなど、業務に必要な機能を1か所に集約し、同一画面からすべてを統合的に使えるように機能拡張が続けられています。直近では、 Google チャットの画面から、直接 Google ドキュメントや Google スプレッドシートを編集することが可能になりました。
そして、2021年5月に開催された Google の公式イベント「 Google I/O 2021」では、新しく Smart Canvas という新機能がリリースされました。 Google ドキュメントにおけるスマートチップ挿入やチェックリスト作成が可能になり、これまで以上にスムーズなコラボレーション機能を実装しています。
例えば、スマートチップは Google ドキュメント上に「@」を入力することで、そのドキュメントに関連する人をメンションしたり、関連ファイルを直接挿入することが可能になります。これにより、 Google ドキュメントの一つの画面から複数人が同じ情報に簡単にアクセスでき、チームでの共同作業を効率化することができます。
このように、 Google Workspace を活用することで、業務効率化や時間の節約を実現でき、組織の生産性を大きく向上させることが可能になります。 DX を推進する上でも、 Google Workspace は大きな助けになると言えるでしょう。
Smart Canvas に関心のある方は以下の記事が参考になります。
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シームレスな連携と統合
Google Workspace は監査ログを自動的に取得し、システム内で一定期間保管する仕組みになっています。しかし、組織の生産性を高めるためにはログを保管するだけではなく、多角的に分析を行い、有効活用していく必要があります。
Google Workspace の Enterprise エディションでは、定期的に BigQuery へログデータを送信する機能が搭載されています。これにより、過去を振り返ってデータを抽出し、ログの分析を行うことができます。
そして、データを有効活用するための機能の一つとして「コネクテッドシート」というものが用意されています。このコネクテッドシートも Google Workspace の Enterprise エディションでのみ提供されている機能になります。
コネクテッドシートはデータの民主化をサポートするものであり、通常 BigQuery などでデータ活用を行う際は SQL を書く必要がありますが、コネクテッドシートを使うことで、使い慣れた Google スプレッドシートのインターフェースで簡単に分析を行うことができます。
このコネクテッドシートと BigQuery を組み合わせることで、膨大なデータを効率的に分析するだけではなく、得られた分析結果をもとに将来予測を行うことも可能です。例えば、店舗の過去の売上データ(実績値)から、将来の売上を予測するような使い方が考えられます。
このように、 Google Workspace は機能間のシームレスな連携が大きな特徴の一つであり、各サービスを連携して有効活用することで、様々なシーンにおける生産性向上を実現できます。
コネクテッドシートに関心のある方は以下の記事がオススメです。
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BigQuery を活用した将来予測については、以下の記事で具体的な方法をご紹介しています。
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なお、本記事のレポート対象である「 Google Workspace のエンタープライズ機能を活用した DX 支援」の中でも、将来予測に関するデモンストレーションが盛り込まれていますので、ご興味のある方はご覧になってください。
新世代を中心に広く利用
Google Workspace の大きな特徴として、様々な世代に広く使われている点が挙げられます。例えば、日本国内における GIGA スクール構想対象の自治体のうち、約半数は Google Workspace for Education を導入しており、新世代層での使用が広がっています。
また、無料版 Gmail は全世界で多くのユーザーに使われており、 Google Workspace の Gmail も同一のインターフェースを採用しているため、ツール習得にかかる時間を短縮できます。さらに、大企業の Google Workspace ユーザーの 68% が「 Google Workspace を採用してから仕事を楽しんでいる」と答えており、モチベーション向上にも寄与しています。
このように、 Google Workspace を活用することで、ツール導入にかかる研修などの生産性の低い業務を削減でき、競争優位性の実現に繋がります。さらには、企業の効率的な DX 推進にも直結すると言えるでしょう。
ナレッジと情報の有効利用
Google Workspace は、組織としてのナレッジや情報の有効利用にも大きく寄与するサービスです。各部署に点在するファイルを1つの場所に安全に保管し、きめ細やかな権限設定で組織単位での管理が可能になります。
また、複数ユーザーが同時に編集できるほか、すべての変更履歴が無期限に保存されるため、ファイル保存やバージョン管理を気にすることなくリアルタイムで共同作業を行うことができます。さらに、プライバシーとセキュリティを確保しながら、個人やチームのファイル、関連するメールやイベント、企業ディレクトリ等をすばやく簡単に取得可能です。
加えて、 Google ドライブでは PDF や MPEG4 をはじめとした 40 種類以上のファイル形式を開くことができ、 Google ドライブ上の Microsoft Word のファイルに対して直接編集作業を行うこともできます。
このように、 Google Workspace の活用により、ナレッジや情報を組織単位で有効利用することができ、あらゆるシーンにおける業務効率化や生産性向上に繋がります。
安全で信頼できる設計
企業データを活用する上でセキュリティは重要なポイントです。仮に情報漏洩などが発生した場合、取り返しのつかない事態になります。その点、 Google Workspace は非常に強固なセキュリティ機能を有したサービスであり、安心して業務の中で利用できます。
例えば、 Google Workspace には「データ損失防止(DLP)」の機能が備わっており、 Gmail や Google ドライブなどのコンテンツを対象に中身を検出します。そして、リスクが認められる情報については、一定のルールに基づいてメール送信やファイル共有を禁止し、外部へ情報が漏れることを防止します。
ほかにも、 IP アドレス単位でアプリケーションの利用制御を行うことができる「コンテキストアウェアアクセス」や、セキュリティやプライバシーの事象を特定して然るべき対応を実現できる「セキュリティセンター」など、様々なセキュリティ機能が搭載されています。
このように、 Google Workspace には様々なセキュリティ機能が備わっており、高いセキュリティレベルで情報を取り扱うことができるため、実業務でも安心して利用可能なサービスとなっています。
DLPに関して理解を深めたい方は以下の記事がオススメです。
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Google Workspace の導入により想定される効果
ここまでの内容でご紹介したように、 Google Workspace は組織のコラボレーションを加速し、イノベイティブな発想の転換を助けるサービスです。実際に Google Workspace ユーザーの 75% が「チームがイノベイティブになった」とアンケートに回答しています。
さらに、外部企業の調査では、 Google Workspace が様々なシーンにおける生産性向上に繋がる、との調査結果が出ています。例えば、ユーザー1人あたりの業務時間を年間171時間も削減できるため、無駄な業務を排除し、本来注力すべき仕事に集中できるようになります。
このように、限られた時間を有効活用し、組織全体で DX を推進していくためには、 Google Workspace が強力な武器になると言えるでしょう。
まとめ
本記事では、現代の日本企業を取り巻く課題や動向、 Google Workspace を活用した具体的な DX 支援についてご説明しました。内容をご理解いただけましたでしょうか。
Google Workspace に搭載されている各種機能は、使い方次第であらゆる用途に応用できる柔軟なプラットフォームとなっています。 Google Workspace を活用することで、市場における競争優位性という DX の本来の目的を実現できます。
そして、 Google Workspace の契約はトップゲート経由がオススメです。トップゲートで契約することで
- 請求書払いが可能
- 円建てで運用できる
- 管理者負荷を軽減
- 導入後サポートが充実
など、様々なメリットを享受することができます。
Google Workspace のようなグループウェアは、サービスを利用開始した後の運用方法によってサービスの導入効果が大きく変わります。 Google と直接契約した場合は専任担当が付かないため、運用に関するアドバイスを受けることはできません。その点、トップゲートで契約すれば、いつでもプロに運用面の相談を行うことができ、自社の Google Workspace 運用をより良い方向に導くことが可能です。導入前のご相談も受け付けていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
本記事を参考にして、ぜひ Google Workspace の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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