Chrome OS で動くビデオ会議システム? Google の最新 AI を搭載した Series One を徹底解説!
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本記事は、2021年5月27日に開催された Google の公式イベント「 Google Cloud Day : Digital ’21 」において、 Google Cloud の Google Chrome Enterprise 統括部長の鈴木健一氏と Google Workspace 事業本部ミーティングソリューションズスペシャリストの中田一成氏が講演された「誕生 10 周年!企業・組織でも採用が加速する Chrome OS / Google が開発した新世代のビデオ会議システム Series One 」のレポート記事となります。
今回は Google が考えるハイブリッドな働き方を実現するためのポイントや、 Google が提供する新世代のビデオ会議システム Series One について詳しく解説しています。
なお、本記事内で使用している画像に関しては Google Cloud Day : Digital ’21 「誕生 10 周年!企業・組織でも採用が加速する Chrome OS / Google が開発した新世代のビデオ会議システム Series One 」を出典元として参照しております。
それでは、早速内容を見ていきましょう。
目次
ビデオ会議市場の現状
現在、新型コロナウイルスの影響に伴い、企業のワークスタイルが大きく変化しています。従来はオフィス出社が一般的でしたが、最近ではテレワークや在宅勤務など、様々な働き方が登場しています。それに伴い、ビデオ会議の需要も爆発的に伸びています。Google が提供するビデオ会議ツール Google Meet の利用状況に関しては、新型コロナウイルスの流行前と比較して約30倍となりました。
また、 Wainhouse Research 社の調査によると、2020年の第三四半期におけるビデオ会議システムの売上金額は、前年比237% と大幅に増加しており、ビデオ会議市場の成長を伺うことができます。ビデオ会議のニーズは今後も続くと考えられており、2025年までの市場成長率は 9.2% になるとの算出結果も出ています。
しかし、その一方で世界中に存在する小規模会議室のうち、ビデオ会議システムに対応している会議室はわずか 2% ほどに留まります。つまり、ビデオ会議市場は拡大傾向にありながらも、多くの企業ではビデオ会議向けのインフラ整備が間に合っていないのが現状です。
有名なビデオ会議ツール Zoom と Google Meet との違いは、以下の記事で詳しく解説しています。
Google MeetとZoomどっちがおすすめ?画質や安全性などを徹底比較
Google が考える「ハイブリッドな働き方を実現するためのポイント」
昨今、多くの企業がテレワークや在宅勤務を導入していますが、一方で従来のワークスタイルに戻り、毎日オフィスへ出社している会社も存在します。このような状況の中で、 Google は柔軟なワークスタイルを重要視しており、オフィス勤務とオフィス外での勤務を自由に選択できるようなハイブリッド型の就労モデルが必要であると考えています。
では、ハイブリッドな働き方を実現するためには、どのようなことを意識すればよいのでしょうか?本章では、 Google が考える「ハイブリッドな働き方を実現するためのポイント」をご紹介します。
デバイス選定
テレワークや在宅勤務を実践する際、物理的なスペースやインターネット回線などの業務環境は人によって異なります。そのため、会社が積極的に適切なデバイスを用意し、環境に依存せず個人のパフォーマンスを最大化できる仕組みづくりを行うことが重要になります。
オフィス設計
ハイブリッドな働き方を実現するためには、オフィス設計が重要なポイントです。例えば、会議室に予約制度を導入して利用状況を見える化したり、密を避けるために集中できる個室を整備することも有効です。社員が安心してオフィスで働けるように、慎重にオフィス設計を検討する必要があります。
ビデオ会議の専用端末
昨今の働き方の変化に伴い、セミナールームのような大規模会議室の利用機会は減少すると予想されます。中には、オフィス自体を縮小する会社もあるかもしれません。しかし、会議自体は変わらずに開催されるため、限られたスペースで効率的に会議を行うためのビデオ会議専用端末の重要性は高まると言えるでしょう。
ビデオ会議の専用端末を選ぶときは、専門の技術者を必要とせずに短時間でセットアップ可能なオールインワンデバイスがオススメです。自社の工数削減に寄与するほか、誰でも容易に使えるツールを導入することで、社員利用の定着化を図ることができます。
会議室におけるソーシャルディスタンス
会議室におけるソーシャルディスタンスも企業が意識すべき大切なポイントです。密を回避するためには会議室に定員いっぱいで入るのではなく、一定の間隔をあけて余裕を持って利用することが重要です。
そして、そのような状況でもスムーズに会議が進行できるよう、全員の声をクリアに収集できるマイクや会議室全体の様子を映せるカメラなどが必要になります。これらの観点からも、ビデオ会議の専用端末が有効なソリューションになります。
Chrome OS で動くビデオ会議システム Series One とは?
2020年末、 Google はビデオ会議システム Series One をリリースしました。 Series One は Google とレノボ・ジャパンが共同開発したサービスであり、ビデオ会議に関するあらゆる機能を詰め込んだオールインワンのビデオ会議用ハードウェアとなっています。
Series One には、小規模会議室用、中規模会議室用、大規模会議室用の3つのサイズが用意されており、色はチョークとチャコールの2種類になります。自社の環境に応じて、適切なサイズを選択できる点は嬉しいポイントです。
また、 Series One は Google が提供するビデオ会議ツール Google Meet の利用に特化したサービスであり、ベースとなる OS は Chrome OS を備えているため、高いセキュリティや自動アップデート機能などが搭載されています。
記事の冒頭でもご説明した通り、ビデオ会議の重要性は年々高まっているため、 Serires One は企業が新しいワークスタイルを実践していく上で、とても有効なサービスになると言えるでしょう。
Series One の3つの特徴
Series One は以下3つのポイントに注力して設計されています。
- Immersive (没入感)
- Effortless (簡易性)
- Approachable (親しみやすさ)
それぞれについて、詳しく解説します。
Immersive (没入感)
Series One は高品質な周辺機器を採用することで、高いレベルの臨場感・没入感を実現しています。会議の場においては、参加者が会議に集中できる環境を整えることが重要であるため、 Series One はマイクやカメラ、スピーカーなど、一つ一つの機器にこだわって設計されています。
Effortless (簡易性)
ビデオ会議システムを導入する際、利用方法が煩雑なものは避けるべきです。最初のセットアップを専門業者に依頼した場合は追加コストが発生しますし、使い方が難しければ社員に定着化させることはできません。 Series One は誰でも簡単にセットアップが可能なため、すべての設定を自社で完結できます。また、直感的に利用できる点も注目すべきポイントです。
Approachable (親しみやすさ)
ビデオ会議システムは会議室に常設されるものであるため、デザインなどの親やすさも重要なポイントです。せっかくビデオ会議システムを導入しても、場合によっては会議室の雰囲気とマッチしないケースも考えられます。 Series One はファブリック素材を利用した2色展開により、どのような会議室にも自然とマッチするように制作されています。
Series One の機能
本章では、 Series One に搭載されている各種機能を詳しくご紹介します。
Google Edge TPU を搭載
Series One の Smart Audio Bar (スピーカー)には、 AI 機能を利用するためのチップである Google Edge TPU が搭載されています。これにより、利用者は TrueVoice® と呼ばれる Google 独自の音声体験を享受できます。
また、 TrueVoice® の高性能なノイズキャンセル機能で、キーボードのタイピング音や紙のガサガサ音などの雑音を自動検知して除去します。その一方で、参加者の声は増幅して確実に音を拾うため、参加者が会議に集中できる環境を提供します。
自動フレーミング
Series One では、スピーカー同様にカメラにも Google Edge TPU が搭載されています。これによって自動フレーミングが可能になり、会議に参加している全員が自動的にモニター画面内に収まるため、より自然に会話ができます。また、仮に会議途中に参加者が動いた場合でも、 Series One の 4K センサーによって自動的にピントが調整されます。
Meet Compute System
Series One は Chorome OS をベースとして動作するサービスです。そのため、 Chrome OS 特有のセキュリティの高さや動作の軽さ、自動アップデートなどの機能を備えています。
また、 Series One のデバイス管理は Google Workspace の管理コンソール上で行えるため、遠隔でのポリシー設定やヘルスチェックなどが可能になります。これらの機能により、 Series One はビジネスシーンでも安心して利用することができます。
Google Workspace に関しては、以下の記事が参考になります。
Google Workspace はどのプランを選べば良いの?具体的なおすすめプランの選び方をご紹介!
PoE(Power over Ethernet)
Series One は Google Meet のハードウェア製品としては初めて PoE に対応しました。 PoE は Power over Ethernet の略であり、周辺機器の電力供給と接続をどちらも1本のケーブルで行えるようにする技術です。
このケーブルは最大距離が長い点に加えて信頼性が高く、 USB よりも管理が容易です。価格も手頃であり、簡単かつ迅速に設置を行えるなど、様々なメリットがあります。
Google アシスタント
現在、感染症の拡大防止の観点から、複数人の同デバイスへの接触は避けられる傾向にあります。 Series One は Google アシスタントと連携しているため、物理的にデバイスへ触れることなく、ハンズフリーでの操作が可能になります。例えば、会議の開始、ミュート、ミュート解除などの操作をすべて音声で指示することができます。
Google カレンダーとの連携
Series One は Google Workspace の管理コンソール上から、 Google カレンダーと連携することが可能です。これにより、 Google カレンダーから空いている会議室を表示・予約したり、会議の人数や場所に適した会議室のレコメンドを受け取ることができます。
このように、 Series One と Google カレンダーを連携させることで、ビデオ会議における様々な効率化を図ることができ、自社の生産性向上に直結します。
Google カレンダーで会議室をダブルブッキングしないようにする方法に関しても解説した記事がありますので、合わせてご覧ください。
ダブルブッキングを防げる!会議室の予約スケジュール管理をGoogle カレンダーで仕組み化しよう!
Google カレンダーの基本的な活用法を網羅した記事もありますので、基本的なことから理解するためや、習熟度を把握するためにも活用いただけます。
【画像解説】今更聞けない!Googleカレンダーの使い方24選
会議の分析機能
Series One には、過去の会議情報を分析する機能が搭載されており、以下のような情報を取得できます。
- 使用頻度の高いユーザー属性(部署、役職など)
- 使用頻度の高い会議室
- 会議室のキャンセルレート
- デバイスや OS ごとのアクセス率
- ネットワーク品質
上記はあくまで一例ですが、これらの情報を取得・分析することで、自社の会議運用を定期的に見直すことができます。また、オフィス縮小を考えている場合には、最適な会議室設計を検討するための参考材料とすることも可能です。
Google のハードウェアに関する質問
Q . Chrome OS を搭載したフォームファクタにはどのようなものがありますか?
A . Chrome OS は広範なデバイスのエコシステムを形成しています。以下のようなフォームファクタをさまざまな価格帯でご提供しています。
- クラムシェル
- コンバーチブル
- Chromebox (モニターなしパソコン)
- Chromebase (一体型パソコン)
- タブレット(キーボードあり / なし)
Q . Cloud ready は Google が提供するものでないと Chrome Enterprise で管理できないですか?
A . Cloud Ready は Cloud Ready の販売店から販売されており、 Chrome Enterprise の管理下に入れることができます。価格は6600円/台/年です。
Q . Meet ハードウェアを購入する際に事前に準備するものはありますか?
A .画面一体型の Chromebase 以外の製品に関してはディスプレイをご用意頂く必要があります。また、 Google Workspace を最低でも1ライセンス契約いただくことを推奨しています。
まとめ
本記事では、Google が提供する、 Chrome OS ベースのビデオ会議システム Series One についてご紹介しました。
Series One は Google 独自の技術を搭載しており、企業の生産性向上を実現する様々な機能を提供しています。うまく活用することで、自社のビデオ会議をさらに効率化できることでしょう。
なお、 Series One は Google Meet の利用を前提としたサービスであるため、 Series One を使うためには Google Workspace を契約する必要があります。 Google Workspace は Google Meet 以外にも便利な機能が多く備わっており、あらゆるシーンにおいて活躍するサービスです。ぜひ、この機会にご検討ください。
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本記事を参考にして、 Google Workspace および Series One の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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