【初心者向け】クラウドとは何か?具体例やメリット・デメリットまで徹底解説!
- Cloud
近年、クラウド技術が広く普及しており、数多くの企業がクラウドを活用して業務効率化や生産性向上を実現しています。しかし、クラウドという言葉を聞いたことがあっても、正しく意味を理解している方は少ないのではないでしょうか、
そこで本記事では、初心者向けにクラウドの基礎知識をわかりやすく解説します。クラウドの概要やメリット、デメリット、具体例など、あらゆる観点からご説明しますので、知識を身に付けたい方はぜひ最後までご覧ください。
目次
初心者向けにクラウドを徹底解説
概要
クラウドとは「インターネット上の仮想基盤」を意味する言葉であり、 PC やスマホなどの端末にデータを保存するのではなく、インターネット上に存在する仮想空間(サーバー)にデータを保存して運用する形態を指しています。
ローカルへのデータ保存を「タンス預金」とすれば、クラウド保存は「銀行預金」に該当します。タンス預金は身近にあるので安心のように感じますが、泥棒が入ったり災害が起きたらアウトです。
その一方で、銀行預金は自分とは離れたところに保管しますが、泥棒が入ってしまう心配はないですし、災害時も大きなリスクはありません。また、至るところに ATM があるので、必要な時はいつでもどこでも引き出すことができます。
昨今、企業が保有するデータ量は増加しており、その種類も多様化しているため、場所や端末に依存せずにデータを活用できるクラウドが大きな注目を集めています。
クラウドの種類
一口にクラウドと言っても多くの種類が存在しており、「 SaaS 」「 PaaS 」「 IaaS 」という3つに分類されます。
以下、それぞれの特徴を表にまとめます。
種類 | 特徴 | サービス例 |
---|---|---|
SaaS | アプリやソフトをクラウド上で動作させる | ・Google Workspace ・Microsoft 365 |
PaaS | アプリの開発環境をクラウド上で提供する | ・Google App Engine ・Azure Functions |
IaaS | システムのインフラをクラウド上で提供する | ・Google Compute Engine ・Amazon Elastic Compute Cloud |
また、クラウドの中には「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」があります。
パブリッククラウドは、誰でも利用できるオープンなクラウドサービスの形態です。 Google 、 Yahoo! 、 Amazon などがパブリッククラウドの代表例であり、不特定多数がサービスを共有できる点が特徴です。
プライベートクラウドは、企業または個人が専用環境を構築するクラウドサービスの形態です。 IBM や NEC などがプライベートクラウドの代表例であり、サービス内容をカスタマイズしたり、コントロールできるのが特徴です。
「 SaaS 」「 PaaS 」「 IaaS 」に関して詳しく知りたい方にオススメの記事は以下です。
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パブリッククラウド、プライベートクラウドに関して詳しく知りたい方にオススメの記事は以下です。
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クラウドとオンプレミスの違い
クラウドと対比的に使われる言葉が「オンプレミス」です。オンプレミスは、サーバーやネットワーク機器を物理的に自社に設置して、システム構築・運用する形態のことを指します。
以下、クラウドとオンプレミスで異なる点を表にまとめました。
クラウド | オンプレミス | |
---|---|---|
初期費用 | 低額 | 高額 |
月額費用 | 変動費 | 固定費 |
導入までの期間 | 短い | 長い |
カスタマイズ | 制限される場合がある | 自由 |
自社システムとの連携 | 制限される場合がある | 容易 |
災害時の復旧 | 容易 | 困難 |
このように、クラウドとオンプレミスは異なる特徴を持っているため、両者のメリット・デメリットを正しく理解し、自社に適した運用方法を多角的に検討することが重要になります。
なお、最近ではクラウドとオンプレミスを組み合わせた「ハイブリッドクラウド」も存在します。例えば、「データはクラウドで保存して、システムはオンプレミスで運用」のように、両者のメリットを活かしたクラウドの運用形態です。
オンプレミスに関して詳しく知りたい方にオススメの記事は以下です。
オンプレミスとクラウドの違いとは?メリット&デメリット、移行の注意点も解説
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クラウドサービスの具体例
ここまで、クラウドの基礎知識をご説明しましたが、具体的にどのようなサービスでクラウド技術が活用されているのでしょうか。
本章では、クラウドサービスの具体例をご紹介します。
メール
クラウドが活用されている代表的なサービスとしてメールが挙げられます。例えば、 Google が提供する Gmail は有名なクラウド型メールであり、 100% クラウドで提供されているサービスです。
Gmail のデータは特定のデバイスに保存されることはなく、すべて Google のサーバーに保管されています。そのため、 PC やスマートフォン、タブレットなど、デバイスや場所を問わずにいつでもデータを確認することができます。
ファイルサーバー
ファイルサーバーも身近なクラウドサービスの一つです。具体的なサービスとしては、 Google ドライブや Dropbox 、 Box などが挙げられます。 iPhone や iPad でお馴染みの iCloud もクラウド型のファイルサーバーの一種です。
保存されたデータはクラウド上に存在しているため、クラウドメールと同様にデバイスを問わずにデータを閲覧可能です。また、インターネット経由で簡単にデータを共有できる点も大きな特徴となっています。
グループウェア
最近では、クラウド型のグループウェアも続々と登場しています。代表的なサービス例としては、 Google が提供している Google Workspace や Microsoft が提供している Microsoft 365 などが挙げられます。
クラウド型のグループウェアサービスを利用することで、コストの削減や運用負荷の軽減など様々なメリットを享受できます。そのため、多くの企業がグループウェア環境をオンプレミスからクラウドへ移行しています。
クラウドのメリット
クラウドを利用するメリットは数多く存在しますが、本章では代表的なものをいくつかご紹介します。
初期費用を抑えることができる
オンプレミスの場合は、全てを自社で揃える必要があり、数百万単位のコストが発生することも少なくありません。
一方、クラウドは自社でのサーバー購入やシステム開発が不要なため、初期費用を抑えることができます。このように、少額投資でスタートできる点はクラウドの大きなメリットだと言えます。
運用負荷を軽減することができる
自社でサーバーを運用する場合、メンテナンスや保守を行なうための技術員が必要になります。システムに問題が発生したときは、早急に改善しなければならないため、大きな運用負荷がかかってしまいます。
クラウド利用における保守や有事対応は、すべてクラウドベンダーが巻き取ってくれるため、システムの運用負荷を軽減することができ、結果として人件費の削減にも繋がります。
ただし、クラウドには責任分界点が存在し、クラウドベンダーの責任範囲ではない箇所はユーザー側で対応する必要があります。そのため、すべての運用を任せられるわけではないので、この点は注意しておきましょう。
導入後すぐに始めることができる
オンプレミスの場合、システムをゼロから設計・開発していくため、利用開始までに何ヶ月もの期間を要します。
一方、クラウドは既に完成されているサービスを利用するので、導入後すぐに始めることができます。ビジネスの世界はスピードが命なので、迅速に社内のシステム環境を整えられる点は大きなメリットです。
場所を問わずに働くことができる
オンプレミス運用では、「会社にいないとシステムが見れない」といった状況が多くありましたが、クラウドはインターネット環境さえあれば、どこからでも情報にアクセスすることができます。
そのため、クラウド導入によって、場所を問わずに働くことができる「新しい働き方」を実現可能になります。
クラウドのデメリット
クラウドには、メリットだけでなくデメリットも存在します。自社に適した運用を実現するためには、クラウドの良い部分と悪い部分を正しく理解し、慎重に検討することが大切です。
本章では、クラウドのデメリットをいくつかご紹介します。
カスタマイズが自由にできない
クラウドは完成しているサービスを利用する形態なので、会社ごとの個別カスタマイズは苦手です。カスタマイズできるサービスも中にはありますが、どうしても限界があり、細かい部分までは実現することができません。
そのため、自社要件に合わせた細かいカスタマイズをしたい場合はクラウドが不向きなケースも存在します。その場合は、オンプレミスで運用するか、一部だけクラウド化する「ハイブリッドクラウド」なども選択肢に入れましょう。
社内システムと連携できない場合がある
カスタマイズと同様の理由から、クラウドは社内システムとの連携にも制限があります。自社で使っている社内システムと連携できるか否かは、利用するサービスの仕様次第です。
そのため、クラウド導入を検討する際は、事前にシステム連携の可否を確認することをオススメします。
利用中にサービスが終了するリスクがある
クラウドの場合、自社で利用しているサービスがいきなり提供終了してしまうリスクがあります。極端な話、サービス提供元の企業が倒産してしまえば、当然サービスも使えなくなってしまいます。
とはいえ、大手企業が提供しているサービスであれば、そこまで心配する必要はありません。クラウドを導入するときは、提供元企業の実績や信頼性をチェックした上で検討しましょう。
代表的なクラウドサービスとクラウドベンダー
ここまで、クラウドに関する説明をしてきましたが、一口に「クラウド」と言っても市場には様々なクラウドベンダーが存在し、多くのサービスを提供しています。
そこで本章では、代表的なクラウドサービスについて、そのサービスを提供するクラウドベンダーとともにご紹介します。
なお、クラウドサービスの種類は多岐にわたりますが、今回はパブリッククラウド(クラウドコンピューティング環境をインターネット経由で提供するサービス)に絞って取り上げています。
Google Cloud (GCP)
Google Cloud (GCP)は Google 社が提供するパブリッククラウドであり 2008 年に提供開始されました。
Google といえば、
- Gmail
- Google ドライブ
- Google マップ
- YouTube
などが有名ですが、これらのクラウドサービスは Google Cloud (GCP)を基盤として構築されており、その安定の稼働実績は折り紙つきです。
また、クラウドサービスは仮想化技術によって構築されたインフラの上で稼働するサービスですが、その仮想化技術のなかで近年、もっとも利用されているコンテナ型仮想化技術においても、 Google の技術は他社をリードする存在となっています。
その他にも、データ分析、機械学習・AIの開発にも力を入れており、それらのデータ分析、機械学習・AIもクラウドサービスとして利用することが可能です。
Google Cloud (GCP)に関心のある方は以下の記事が参考になります。
企業の DX を進める Google Cloud (GCP)の最新ソリューションと事例を一挙解説!
Vertex AI とは? Google が提供する最新の機械学習プラットフォームを徹底解説!
Azure
Azure は Microsoft 社が提供するパブリッククラウドであり 2010 年に提供開始されました。
Windows OS や Microsoft Office 製品で有名な Microsoft ですが、 Azure はこれらの Microsoft 製品との親和性が高い点が特徴です。
また、 Microsoft はデータベース市場で高いシェアを持つ SQL Server の開発元でもあり、 SQL Server を利用したシステムをオンプレミスからクラウドに移行しやすいのも特徴の一つと言えます。
Azure は、オンプレミスの Windows Server が提供する Active Directory との連携も容易で、ハイブリッドクラウドを実現も可能です。さらに、最近の Microsoft は Apple 社の iOS や Google 社の Android 、オープンソースの Linux など、さまざまなプラットフォームで稼働するサービスの提供にも積極的に力を入れています。
AWS
AWS は Amazon 社が提供するパブリッククラウドであり 2006 年に提供開始されました。
数あるパブリッククラウドの中でも提供開始時期が早く、もっとも長い歴史を持つクラウドサービスです。約 200 種類もの豊富なサービスを搭載しており、全世界に圧倒的なユーザー数を誇る Amazon のインフラを支える重要な基盤となっています。
さらに、インターネット通販サイトだけでなく、
- Amazon プライム動画
- Amazon ミュージック
- Amazon フォト
など、 AWS を基盤として様々なクラウドサービスを展開しています。新しい技術にも積極的に力を入れており、店員が存在しないコンビニの Amazon Go は有名です。
今回ご紹介した 3 つのパブリッククラウドは「 3 大クラウドサービス」と呼ばれており、全世界で多くのユーザー数を誇っています。どのサービスも高性能で便利なものですが、それぞれ特徴や強みは異なるため、自社の状況に合わせて最適なサービスを選択してください。
以下の記事で 3 大クラウドサービスをわかりやすく比較していますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
大手クラウドサービス3社の違いとは? GCP 、 AWS 、 Azure の特徴を比較!
3大クラウドAWS、Azure、GCPの機能を比較したら見えてきたサービスごとの違いと特徴とは?
まとめ
本記事では、クラウドの概要やメリット、デメリット、具体例など、初心者向けにわかりやすくご説明しました。昨今、多くの企業がクラウドを導入し、業務効率化や生産性向上を実現しています。
以下、一つでも該当するものがあれば、ぜひ、クラウド導入を検討してみてください。
- 導入の初期費用を抑えたい。
- 日々の運用負荷を軽減したい。
- すぐに運用を開始したい。
- 場所にとらわれない働き方を実現したい。
企業がクラウドを導入することで、コスト削減や運用負荷軽減など、多くのメリットを享受することができます。また、場所にとらわれない「新しい働き方」を実現するためにも、クラウド導入は必須条件と言えます。
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本記事を参考に、ぜひクラウド導入を検討されてみてはいかがでしょうか。導入前の相談も受け付けていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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