成功する DXの進め方とは?具体的な手順を9ステップでわかりやすく解説!
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昨今、 DX の重要性が強く叫ばれています。企業が保有するデータ量が増加し、消費者ニーズが多様化する現代において、デジタル化に対応するための変革は企業にとっての経営課題となっており、業種や規模を問わずに様々な会社が DX 実現に向けて試行錯誤しています。
しかし、一口に DX とは言っても、なかなか上手く進まないケースもあるのではないでしょうか。そこで本記事では、成功する DX の進め方について、具体的な手順を9ステップでわかりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
DX とは?
DX はデジタルトランスフォーメーションの略語であり、最初に提唱されたのは2004年のことでした。スウェーデンのウメオ大学教授、エリック・ストルターマン氏が「 IT の浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念を主張し、この考え方がDXの始まりとされています。
近年、 DX という言葉の定義は「最新のデジタル技術を駆使した、デジタル化時代に対応するための企業変革」という意味合いで、ビジネス用語として使われています。経済産業省は「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」を策定しており、今や DX は一般的なものとして日本中に広まっています。
また、前述したガイドラインの中では、 DX を「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と、さらに詳細に定義しています。
DX に関しては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?概要と5つの事例をご紹介!
DX 推進に必要なもの
デジタル化
DX はデジタルトランスフォーメーションの略語であり、その言葉通りにデジタル化は必要不可欠なものです。デジタル化とは、従来アナログで運用していた業務やシステムをデジタルに移行することを指します。
わかりやすい例ではペーパレスの取り組みもデジタル化の一種と言えます。これまで紙媒体で管理していた書類を電子化(デジタル化)することで効率アップを図ります。このように DX を進める上では、デジタル化は避けては通れない道となっています。
業務プロセスの改善
前項ではデジタル化について触れましたが、デジタル化を効率的に進めるためには業務プロセスの改善が必須事項になります。現状の業務を洗い出し、まずは課題や問題点を明確にする必要があります。
改善すべきポイントが見つかれば、次は未来の理想像を具体的にイメージし、その姿に近づけるためのデジタル化を順次行っていきます。つまり、 DX においては業務プロセスの改善とデジタル化をセットで考えることが重要になります。
新システムの構築
DX では既存業務の抜本的な見直しが行われるため、必要に応じて新しいシステムを構築することもあります。自社の目的に応じて最適なシステムを構築することが DX を成功に導くための鍵になります。
社内に優秀なエンジニアが揃っていれば、自社完結で新しいシステムを構築することも可能ですが、現実的には IT 人材が不足している企業も多く存在します。そのような場合は、外部企業への委託やツールの導入を選択肢に加えてください。経験豊富なパートナー企業へ依頼することで、プロのアドバイスを受けながら効率的に DX を進めることができます。
社内の協力体制
DX を推進するためには、業務プロセスの改善や新システムだけでは不十分です。 DX は会社全体の変革を目指すものであるため、自社の社員から賛同を得ておく必要があります。
社内の協力体制が整っていれば、あらゆるシーンにおける調整がスムーズになり、結果として効率的に DX を推進することができます。このとき、経営層や役職者など、各部門におけるキーマンをおさえておくと物事が円滑に進みます。
部門間の連携
社内の協力体制を整えるとともに、各部門が密に連携することも重要なポイントです。仮に部署ごとの判断で課題抽出やシステム構築を行なった場合、視野の狭いアウトプットしか出すことができず、会社全体としては有効な DX を実現できません。
各組織が横の繋がりを持ち、お互いに情報連携しながら DX を推進していくことが大切です。すべての部門が足並みを揃えて一歩ずつアクションを実行することで、プロジェクト全体の生産性が向上し、企業として効率的な DX の推進を実現できます。
成功する DX の進め方を9ステップで解説
ステップ1.DX の目的を決める
まずは DX の目的を決めることが大切です。手段が目的にならないように、「なぜ DX を行うのか?」を深く考えて、目指すべき姿を具体的にイメージしてください。目的が途中でブレてしまうと一貫性を持った DX が困難になるため、とても重要なポイントです。
ステップ2.責任者の同意を得る
目的が決まったら、 DX 実行に関して責任者の同意を得てください。 DX は個人で進めるものではなく、組織全体で推進するものです。そのため、経営者や役職者など、然るべき立場の人から賛同を受け、効率的に推進できる環境づくりを行うことが大切です。
ステップ3.具体的な DX 戦略を立てる
責任者の同意を得られたら、次に DX 戦略を策定していきます。 DX における全体の方向性やスケジュールなどを慎重に検討してください。実行フェーズを効率的に進めるため、戦略策定の段階から具体的な計画を立てておくことが重要です。
ステップ4.現状を正しく把握する
DX 戦略が決まったら、現状を正しく把握することから始めましょう。自社における課題や問題点を理解することで、 DX における有効な打ち手を実践できます。このとき、会社全体の改善点を見つけるためには、各部署がそれぞれ現状分析を行い、その結果を最後に集約することが重要です。これにより、現場の課題を正しく抽出することができ、組織全体を俯瞰した形での現状把握が可能になります。
ステップ5.アクションの優先順位を決める
現状把握が完了したら、アクションの優先順位を決めていきます。実現の難易度、アクション実行時の業務影響度、関係者の数、発生コストなど、多角的な要素を取り入れることが大切です。
詳しくは次項以降でご説明しますが、まずは現場に近い業務から先に着手するのがオススメです。すべてのアクションをいくつかのカテゴリに分け、さらに各カテゴリ内で優先順位付けを行うことで、全体を整理しながらアクションを検討できます。
ステップ6.現場に近い業務をデジタル化する
アクションの優先順位が決まったら、いよいよデジタル化のフェーズに入っていきます。細かい業務に対する変化であれば、大きな反対意見が出ることは少ないので、はじめは現場に近い業務をデジタル化していきましょう。例えば、ペーパレスや会議ルールの設定などが挙げられます。
ステップ7.組織全体のワークフローをデジタル化する
次に組織全体のワークフローをデジタル化します。ワークフローは会社全体に影響する要素なので、うまくデジタル化ができれば大きな生産性向上に繋がります。例えば、稟議や決裁の承認フロー、人事関連の勤怠登録フロー、経費や交通費などの経理処理フローなどが挙げられます。
ステップ8.事業のビジネスモデルを変革する
現場の業務およびワークフローのデジタル化が完了したら、最後に事業のビジネスモデルを変革します。多くの場合、 DX の目的は収益改善や企業成長であるため、その観点ではビジネスモデルの変革が DX における一つのゴールであると言えます。組織体制や収益スキームなどを含めて、さらに効率的なビジネスモデルを検討してください。
ステップ9.定期的に PDCA サイクルを回す
DX は「一度実行して終わり」ではありません。社会情勢は刻一刻と変化しているため、それに合わせて企業も変革し続ける必要があります。定期的に自社運用を見直す機会を設けて、継続的に PDCA サイクルを回していきましょう。これにより、様々な変化に対応できる盤石な企業経営を実現できます。
DX を推進する上での注意点
DX 自体が目的にならないようにする
DX を推進する上では DX 自体が目的にならないように注意する必要があります。 DX はデジタル化によって業務プロセスやビジネスモデルを抜本的に変革し、自社の生産性を高めて利益最大化を目指すものです。
そのため、 DX という言葉だけに踊らされて、漠然とアクションを開始したところで意味はありません。前章の9ステップでもご説明した通り、まずは自社の現状を踏まえて、 DX の目的やゴールを明確化することが大切です。
特定部署だけではなく全社で取り組む
DX は企業全体のデジタル変革を実現するための大規模な取り組みです。そのため、特定の部署だけで限定的に進めるのではなく、全社員が一致団結して、共通の目的に向かって伴走する必要があります。
組織の団結力が高まれば DX 自体もスムーズに進みますし、共通指標によって効果測定や進捗確認ができるため、プロジェクト全体の効率化にも繋がります。社員の DX に対する意識を高めるために定期集会を開いたり、組織横断的な DX の専門チームを作るなど、あらゆる工夫を施していきましょう。
DX を推進するための専任者をアサインする
DXを効率的に進めるためには、自社の課題を正しく把握し、導入するシステムやツールを利用できる人材を推進メンバーとしてアサインする必要があります。このとき、体系的にプロジェクトを進められるように、メンバーと合わせて DX 推進における責任者も選任しておくと良いでしょう。
ただし、 IT 人材が不足している日本において、 DX を推進できる優秀な人材の確保は容易ではありません。そこでオススメの方法は、ノーコード開発(ソースコードを書かずに開発を行うこと)やローコード開発(ソースコードの記述を極力抑えながら開発を行うこと)ができるシステムの導入です。
これらのシステムを使いこなせる人材を自社で教育・育成することで、 DX 推進に必要なメンバーを確保できます。また、新システムの運用開始後にトラブルが発生する可能性もあるため、不測の事態にも柔軟に対応できる人材を DX 推進の専任者として選定することで、システムを円滑かつ安全に運用することが可能になります。
それでも適任な人材が社内にいない場合は、信頼できる外部パートナーを探して2人3脚で取り組むのがよいでしょう。
信頼できる外部パートナーの探し方は以下の記事が参考になります。
クラウドインテグレーターとは何か?役割やメリット、会社の選び方まで徹底解説!
アクションの PDCA サイクルをまわす
DX は「一度実行したら終わり」ではありません。社会情勢は絶え間なく変化しているため、変わりゆく市場ニーズに応え続けるためには、自社も変革を続ける必要があります。
そのためには、アクションを実行した後に PDCA サイクルをまわしていきましょう。定期的な PDCA の実行により、自社の課題や改善点を明確化することができ、次の新しい DX に繋げることが可能になります。このように、 DX は一過性の取り組みではなく、継続性が求められるという点は覚えておいてください。
DX 推進には Google サービスがオススメ
企業が DX を推進するためにはデジタル化が必要不可欠ですが、他にも意識すべきポイントが存在します。それは企業が PDCA サイクルを回すために必要な「効率化」「情報共有」「データ活用」の3つの要素です。
つまり、企業が継続的な成長を遂げるためには、業務のデジタル化に加えて作業効率化を実現し、各部署がお互いに情報共有を行なった上で、得られたデータを積極的に活用してアクションを検討していく必要があるということです。
これらをすべて自社で完結するのは容易ではないため、多くの企業では各種ツールを利用しています。市場には数えきれないほどのソリューションが存在しますが、 DX 推進には Google のサービスがオススメです。
本章では、 Google が提供する Google Workspace と Google Cloud (GCP)という2つのサービスをご紹介します。どちらも DX を進める上で有効なサービスなので、ぜひ特徴を覚えていただければと思います。
Google Workspace が DX にオススメの理由
Google Workspace は Google が提供するクラウド型のグループウェアサービスです。以前は G Suite という名前で親しまれていましたが、2020年10月に Google Workspace へブランド名を変更しました。
Google Workspace にはメール、スケジュール管理、ビデオ会議、オンラインストレージなど、企業に必要な機能がすべて揃っています。また、組織の生産性を高めるための業務効率化ツールが多く備わっている点も Google Workspace の大きな特徴です。
Google 自身も業務の中で Google Workspace を活用しています。Google Workspace の利用者は Google の強固なインフラと最先端のテクノロジーを自由に活用することができ、世界中で多くの企業に支持されているサービスとなっています。
Google Workspace は Google カレンダーでのスケジュール管理やオンラインストレージを活用したファイル保管など、企業における様々な業務のデジタル化を力強くサポートします。また、ビデオ会議の機能やファイルの同時編集が可能な Google スプレッドシートなど、業務効率化に寄与するソリューションも数多く搭載されています。
さらに100% クラウドで提供されるサービスであるため、場所を問わずに利用することができ、社員同士の情報共有も容易に行えます。このように、 DX を推進する上では Google Workspace がとても強い武器になります。
Google Workspace の機能と便利な活用法は、以下の記事で詳しくご紹介しています。
【あなたは知ってる?】Google Workspace の便利な活用法とテクニック10選
Google Cloud (GCP)が DX にオススメの理由
Google Cloud (GCP)とは、 Google が提供しているパブリッククラウドサービスです。同じ種別のサービスとしては Microsoft 提供の Azure や Amazon 提供の AWS などが挙げられます。主に IaaS ・ PaaS の領域をカバーしており、用途に応じて利用できる様々な構成要素がサービスとして提供されています。
Google Cloud (GCP)は、月間60億時間分の動画を再生するYouTubeや、10億人のユーザーが利用しているGmailと同じインフラをベースとしています。そのため、高速で安定したパフォーマンスとスケールを実現しており、高品質な IT プラットフォーム環境を『必要な時に、必要なだけ、自由に利用』することができます。
そのため、初期導入コストを抑え、開発期間の短縮が図れるだけでなく、ビッグデータ・機械学習の活用のほか、 Google Workspace との連携など『クラウド利用を越えた先の IT 戦略』をシームレスに実現することが可能です。
さらに BigQuery という優れたデータ解析ツールが搭載されているため、一部のエキスパートだけでなく、組織全体でデータを活用し、経営戦略の策定や業務改善に繋げていくことが可能です。このように、 DX におけるデータ活用を実践する際は Google Cloud (GCP)が高い効果を発揮するでしょう。
Google Cloud (GCP)の詳細は以下の記事で詳しくご紹介しています。
Google Cloud Platform™ (GCP) とは
BigQuery の魅力は以下の記事で詳しくご紹介しています。
超高速でデータ分析できる!専門知識なしで扱えるGoogle BigQueryがとにかくスゴイ!
まとめ
本記事では、成功する DX の進め方について、具体的な9ステップの手順をご紹介しました。変化の激しい現代において、もはや DX は避けては通れない経営課題となっています。
ただし、すべてを自社完結するのは困難であるため、 DX を推進する場合はツールを活用しましょう。オススメは Google が提供している Google Workspace と Google Cloud (GCP)です。この2つのサービスを活用することで、 DX に必要な「デジタル化」「効率化」「情報共有」「データ活用」を実現できます。
そして、 Google サービスを検討するなら、ぜひトップゲートへご相談ください。トップゲートで契約することで、プロに相談しながら Google Workspace の最適なプランを検討できたり、 Google Cloud (GCP)の利用料金が3% OFF になるなど、多くのメリットを享受できます。
本記事を参考にして、ぜひ DX 実現に向けた Google サービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。サービス導入前のご相談も可能ですので、まずはお気軽にご連絡ください。
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