効率的なデータ活用を実現!分析したデータを有効活用するためのテクニックを4ステップで紹介
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近年、企業が保有するデータ量は増加しており、効率的な経営を実現するためにはデータ活用が必要不可欠な時代になりました。
データは単に社内に蓄積するだけではなく、分析・活用することではじめて価値が生まれます。しかし、社内にデータが存在しているにも関わらず、うまく活用できていない企業は多いのではないでしょうか。
本記事では、データ活用の基礎的な内容から、分析したデータを効率的に活用するためのテクニックまで、一挙にご紹介します。データ活用を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
企業のデータ分析・活用を取り巻く環境の変化
現在、企業を取り巻く環境が大きく変化しており、データ分析・活用の重要性は年々高まっています。以下、代表的なものをご紹介します。
新技術の登場
近年、新しい情報技術が続々と登場しており、様々な分野で IT 化が進んでいます。代表的な例としては「 IoT 」や「人工知能( AI )」などが挙げられます。
これらの新技術は「ビッグデータ」と呼ばれる「膨大で多様性のある情報群」を前提としたものであり、企業が IT 化を実現するためにはデータの分析・活用が必要不可欠となっています。
市場ニーズの多様化
社会全体における IT 化の加速に伴い、市場ニーズが多様化しています。様々な情報技術により便利な世の中になった一方で、消費者が求めるサービスやコンテンツは今まで以上に多岐にわたります。
多様化するニーズに応えるためには、消費者の年代、性別、居住地域、趣味趣向などの属性データを分析し、適切かつ有効な打ち手を検討する必要があります。データを効果的に分析・活用することで、社会のニーズに即した適切な経営戦略を打ち出すことが可能になります。
働き方の変化
従来は会社に出社して仕事をすることが一般的でしたが、現在は働き方にも変化が現れています。在宅勤務やテレワークなどの新しいワークスタイルが登場し、東京都の「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」のような助成金も整備されました。
社員がオフィス以外で働く環境を整えるためには、パソコンの管理ログやネットワークのセキュリティ状況などの様々なデータを管理・分析し、リスクを最小限に抑える必要があります。このような観点からも、企業におけるデータ活用の重要性は高まっていると言えます。
データ活用で実現できること
前章ではデータ活用の重要性について述べましたが、企業がデータ活用を行うことでどのようなメリットを得られるのでしょうか?
本章では、データ活用で実現できることをいくつかピックアップしてご説明します。
コスト削減
コスト削減を図るためには、自社の業務プロセスにおける課題を探す必要がありますが、自社が保有する様々なデータを分析・活用することで、問題点を浮き彫りにすることができます。
例えば、必要量を遥かに上回るサーバーリソースを契約していたり、特定部署に必要以上の人的リソースが集中しているケースなどが挙げられます。このような課題は日常業務の中では見えづらく、データを元に自社の状況を客観的に可視化することで見えてくる部分です。
課題が明確になれば、ピンポイントに対策を講じることができ、結果として会社のコスト削減を実現することができます。
売上アップ
データ活用によって得られるメリットはコストの削減だけはありません。自社が保有するデータを分析し、効果的に活用することで売上アップにも寄与します。
例えば、顧客データからユーザー傾向を分析することで、より効果的なマーケティング戦略を打ち出すことができます。また、データに基づいて自社の組織構成を分析することで、利益向上にむけた最適なリソース配分を検討することが可能になります。
このように、企業が売上アップを実現するためには、データ分析によって自社の状況を正しく把握し、適切なアクションを実行していく必要があります。
経営戦略の策定
近年、5G や IoT に代表される新しい情報技術の発展に伴い、顧客ニーズが多様化しています。また、従来はオフィスで働くことが当たり前だった会社員も、テレワークの普及により様々な働き方を実践しています。
このような急激な社会変化に対応するためには、データ活用が必要不可欠です。自社の状況や社会の動きをデータで正しく見える化し、膨大なデータをあらゆる観点から分析することで、適切な経営戦略を策定することができます。
企業が変化の激しい時代を生き抜くためには、自社に蓄積されたデータを効果的に分析・活用し、柔軟かつ磐石な経営基盤を整備することが大切です。
業種別のデータ活用事例
現在、多くの業種においてデータ活用が進んでいます。以下、業種別にデータの活用事例をまとめました。
ECサイト
Yahoo!は検索サイト以外にも数多くのサービスを提供しており、多岐にわたるデータを保有しています。そしてそれらのデータを、自社で保有するAI技術とあわせて活用することで、日々さまざまな分析を行っています。
その一例がYahoo!ショッピングです。利用者の検索履歴と購入履歴をあわせて解析を行うことで、新規ユーザーへの商品レコメンドを改善しました。結果、クリック率は4.5倍に向上したとの結果が出ています。
またYahoo!だけではなく、楽天やAmazonなど他のECサイトでも、データを活用した顧客解析により、購入率アップや利用者満足度の向上を実現しています。
ホームセンター
とあるホームセンターでは、売上、従業員の行動、商品陳列などのデータを蓄積・解析することで、顧客単価の高いエリアを特定することに成功しました。そして、当該エリアに従業員を重点的に配置することで、顧客の取り逃しを防ぐことができ、売上金額が15%アップしたという事例があります。
この記事では2業種しかご紹介しませんでしたが、以下の記事では、他5業種ご紹介しております。気になる方は以下の記事をご覧ください。
ビッグデータとは何か?7業種のクラウドによるデータ活用事例をご紹介!
データを効率的に活用するためのテクニック
ここまで、データ活用の重要性をご説明しましたが、闇雲にデータを眺めていれば良いという訳ではありません。データ活用には基本的なテクニックが存在し、正しいアプローチで順番に作業を進めていく必要があります。
本章では、データを効率的に活用するためのテクニックを具体的な4つのステップに分けてご説明します。
STEP 1.仮説に基づき必要なデータ収集
データ活用を行う上では分析用のデータを収集する必要がありますが、何も考えずに様々なデータを集めた場合、思うように活用が進まない可能性があります。データ活用を効率的に進めるためには、まず仮説を立てて検証に必要なデータを逆算して収集することが大切なポイントです。
必要以上のデータを取得した場合、無駄なコストや手間が発生します。そのため、初期段階から集めるべきデータの種類を明確化し、データ分析の手法や最終的なデータの活用方法までを考慮した上で、データ活用の全体設計を行っていく必要があります。
STEP 2.自社に適した分析手法の選択
必要なデータを収集した後は分析を行いますが、一口に「データ分析」と言っても様々な種類があります。そのため、自社が検証したい内容を踏まえて、最適な分析手法を選択してください。
以下、代表的なデータ分析の手法をご紹介します。
分析手法 | 概要 |
---|---|
クロス集計 | 集めたデータを縦軸と横軸に振り分けて、わかりやすく集計・表現できる手法 |
ロジスティック回帰分析 | 複数の変数をもとにして、特定事象の発生確率を予測・説明できる手法 |
決定木分析 | 複数要素を含んだデータを順番に分析することで、樹形図式に結果を表現できる手法 |
アソシエーション分析 | 分析対象となる複数のデータに対して、それぞれの相関関係を発見できる手法 |
クラスター分析 | データ全体の類似度を分析・グループ分けすることで、傾向や特徴を把握できる手法 |
上表で示した通り、データの分析手法には様々な種類が存在します。それぞれの分析手法について特徴やメリットを正しく理解し、自社に適した分析手法を選ぶことが大切です。
STEP 3.分析結果に基づく意思決定
データ分析が完了したら、その結果に基づいた意思決定を行います。社員個人の「勘」や「経験」で業務判断を行うことは多くのリスクを伴うため、具体的なデータをもとに意思決定を進める必要があります。
自社の仮説が正しければ、得られた分析結果に沿ってアクションを実行すれば問題ありません。一方で、仮説と分析結果が異なっていた場合は、その理由を具体的に追及し、改善すべきポイントを特定してください。
上記のプロセスを繰り返すことで、自社が抱える本質的な課題を見える化でき、次の打ち手を検討することができます。データ活用においては、この「分析結果に基づく意思決定」がとても重要なポイントになります。
STEP 4.実行施策の結果分析
ここまでご説明した「STEP 1 〜 STEP 3」がデータ活用における全体の流れになりますが、さらにデータ活用の効果を高めるためには実行した施策結果を分析する必要があります。データ分析に基づいて実行した施策を改めて結果分析し、その結果を踏まえて次回の施策検討に活かしていきます。
この PDCA サイクルを定期的に回していくことで、改善すべき課題や取るべきアクションを明確化することができ、データドリブンかつ磐石な経営基盤を作ることが可能になります。
データ活用において最も大切なことは、1回の分析結果で一喜一憂することなく、データ活用のプロセスを何度も回して、継続的に改善アクションを実行していくことであると言えるでしょう。
データの分析・活用は Google Cloud (GCP)の「 BigQuery 」がオススメ
Google Cloud (GCP)は Google が提供しているパブリッククラウドサービスであり、 BigQuery とは Google Cloud (GCP)に内包されているビッグデータ解析サービスです。
BigQuery は通常では長い時間かかるクエリを、数 TB (テラバイト)、数 PB (ペタバイト)のデータに対して、数秒もしくは数十秒で終わらせることができます。
クラウドで提供されているサービスであるため、サーバーレスで柔軟に拡張することができ、非常にコストパフォーマンスに優れています。他の多彩な Google Cloud (GCP)サービスともシームレスに連携できるため、とても扱いやすいサービスとなっています。
以下、データ分析に BigQuery がオススメな理由を5つに厳選してご紹介します。
多くの機能を兼ね備えている
BigQuery はデータを保管する DWH としての役割はもちろんのこと、他にも様々な機能を搭載しています。
BigQuery は ETL の領域も一部カバーしており、分析に必要なデータ加工を行うことができます。例えば、膨大な元データに対する検索のクエリ結果を BigQuery のテーブルとして出力することが可能です。
さらに Hadoop や Cloud Dataflow といったデータ処理エンジンと連携できるため、複雑なデータ加工やリアルタイムなデータストリーミング分析などを実現することができ、今後に向けた効果的な経営戦略の策定に寄与します。
このように BigQuery はデータ活用に必要なすべての領域をカバーしており、企業におけるデータの分析作業を一気通貫で行うことが可能になります。
データの処理速度が早い
BigQuery の強みとして、データ処理が高速な点が挙げられます。
通常の分析サービスであれば、GB(ギガバイト)程度であれば問題なく分析できますが、TB(テラバイト)規模になるとデータがなかなか返ってこないことが多いです。BigQuery は、さらにその上の PB (ペタバイト)規模のデータも高速で分析して、解を返すことができます。
約3 GB (ギガバイト)のデータ処理の要した時間は1.2秒という驚異のスピードです。(2020年5月段階)
【参考記事】
【トップゲート主催】StudyJam Google Cloud (GCP) 無料ハンズオンラボの体験レポート
データベースの専門知識がなくても扱える
通常、データウェアハウスのデータベースは特にクエリ用途などがある場合には必ずチューニングが必要です。テーブルや各種領域、インデックスなどに対し、最適な計算・シミュレーションなど必要です。当然データベースのスペシャリストが必要で、スペシャリストがいるか否かなども、チューニングパフォーマンスに影響します。
ところが、BigQuery はそれを必要としません。従来のデータベース概念とは異なり、今までデータベースでのクエリでは必須だったインデックスすら必要としません。つまりデータベースの専門知識がなくても高速クエリが可能となっています。
コストパフォーマンスが高い
BigQuery はコストパフォーマンスが圧倒的に優れています。
利用料金の目安も 1TB (テラバイト)500円程度とものすごくリーズナブルであるため、愛用者が多いです。データ量が分析開始前にわかり、事前に処理に要する目安料金がわかり安心してサービス利用可能です。
いくら高速なサービスがあっても扱いにくくてコストが高いものであれば、なかなか拡まらないと考えられます。しかし、BigQuery は扱いやすくかつコストも安いため、総合的に見て優れたサービスであると言えます。
まとめ
本記事では、データ活用の基礎的な内容から、分析したデータを効率的に活用するためのテクニックまで一挙にご紹介しました。
近年、データ活用の重要性は年々高まっており、実際に様々な業種でデータ活用が進んでいます。とはいえ、闇雲にデータを扱えば良いという訳ではなく、効率的にデータ活用を進めるためには、具体的なテクニックが存在します。
データ活用のためのツールは数多く存在しますが、効率的にデータ活用を進めたいのであれば Google Cloud (GCP)がオススメです。 Google Cloud (GCP)に内包されているビッグデータ解析サービス「 BigQuery 」を使うことで、企業は様々なメリットを享受することができます。
そして、 Google Cloud (GCP)を契約するのであれば、トップゲートがオススメです。トップゲート経由で契約することで
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