Google Maps API とは?料金体系やできること、開発事例まで一挙に紹介!
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Google マップを使ったことがある方は多いと思いますが、 Google Maps API の存在をご存知でしょうか? Google Maps API を使えば、 Google マップに搭載されている多彩な機能をアプリケーションや Web サイトに実装可能になります。
本記事では Google Maps API の概要や特徴、種類、できること、料金体系、開発事例まで、あらゆる観点から一挙にご紹介します。
目次
Google Maps API とは?
Google Maps API とは、 Google マップに搭載されている多彩な機能をアプリケーションや Web サイトに実装できる API サービスです。 API とは「 Application Programming Interface 」の頭文字を取った言葉であり、「アプリケーションをプログラミングするためのインターフェース」を意味しています。
なお、インターフェースとは、異なる機器・装置を接続し、交信や制御を行うための装置やソフトウェアのことです。つまり API とは、アプリケーションとプログラムを繋ぐための役割を持つものであるとご理解ください。
Google Maps API の存在を知らなくても、仕事やプライベートで Google マップを使ったことがある方は多いのではないでしょうか? Google マップは Google が提供する地図情報提供サービスであり、全世界の地図情報が網羅されていると同時に、最新の情報へと日々アップデートされています。
Google Maps API を活用することで、 Google マップが保有する膨大な地図情報を自社のアプリケーションや Web サイトへ組み込むことができます。そのため、 Google Maps API は様々なシーンで使われており、多くの企業が業務効率化や生産性向上を実現しています。
Google Maps API の特徴
Google の膨大な地図データ
Google Maps API の最大の特徴と言えば、 Google が保有する膨大な地図データを活用できる点だと言えるでしょう。 Google マップは日本国内のみならず、グローバルで圧倒的なユーザー数を誇るサービスです。
Google は情報検索に注力している世界最先端の IT 企業であり、 Google マップが保有する地図データの量と精度は業界でもトップクラスです。このような Google の情報を自社のアプリケーションや Web サイトに活用できることは、企業にとって非常に大きなメリットになります。
多種多彩な API
一口に Google Maps API と言っても、使用可能な API の種類は多岐にわたります。詳しくは後述しますが、様々な API が用意されているため、自社の状況や実現したいことに合わせて、最適な API を選択・活用することができます。
公式サイトでのサンプルコード公開
Google 公式サイトでは Google Maps API のコード例が公開されています。
例えば、
- マーカー付きの地図を追加する
- プレイスオートコンプリートを使用してフォームに入力する
- モバイルデバイスで現在の場所を取得する
- 運転ルートを表示する
など、多彩なサンプルコードが用意されています。これらを参考にすることで、プログラミングの専門知識を持たない方でも、簡単に必要な機能をアプリケーションや Web サイトに実装することができます。
Google Maps API の種類
Google Maps API の種類は多岐にわたりますが、本章では 5 つの内容に絞って詳しくご紹介します。
Google Maps JavaScript API
Google Maps JavaScript API は任意の画像やコンテンツを使用し、地図を自由にカスタマイズできる API です。例えば、 Google マップの地図情報の上にマーカーを表示するなど、用途に合わせて様々な活用法が考えられます。
Google Street View Image API
Google Street View Image API は緯度情報や軽度情報などをもとにして、ストリートビューの画像を Web サイトに追加できる API です。サイズやカメラの向きなどを指定してストリートビューの画像を取得できるため、目的に応じて様々な画像データを活用できます。
Google Maps Geocoding API
Google Maps Geocodong API は住所データを座標に変換できる API です。ここで言う座標とは、地図上の経度や緯度などを意味しており、例えば東京タワーの住所は「東京都港区芝公園 4 丁目 2 番 8 号」ですが、これを座標に変換すると「北緯 35 度 39 分 31 秒、東経 139 度 44 分 44 秒」となります。
Google Maps Distance Matrix API
Google Maps Distance Matrix API は出発地と目的地をそれぞれ指定することで、その間の移動時間や距離などを取得できる API です。 Google マップの経路検索と同様、自動車や自転車、徒歩など、移動手段別の時間を算出してくれます。
Google Places API Web Service
Google Places API Web Service を使えば、任意の地点に対して地理的な位置や有名スポットなどの情報を取得可能になります。例えば、旅行先の見知らぬ土地に居たとしても、現在地情報をもとに周辺のデータを即座に検索することができます。
Google Maps API でできること
Google Maps API を活用することで、具体的にどのようなことを実現できるのでしょうか?
Google Maps API は大きく分けて、
- マップ
- ルート
- プレイス
の 3 つのカテゴリに分かれており、各分野で活用できる様々な API が用意されています。
以下、カテゴリごとに 1 つずつ、 Google Maps API でできることをご紹介します。
Web サイトに様々な地図を追加できる
まずは「マップ」に関する内容をご紹介します。
Google Maps API を活用することで、自社の Web サイトに様々な地図を追加することができます。例えば、リアルタイムにデータが更新される地図や 360 度のパノラマ画像、ストリートビューの画像などを埋め込むことも可能です。
Web サイトに訪問してきたユーザーにとって、地図はとても大切な要素の一つですが、テキストだけでは情報を伝えるのに限界があります。しかし、 Google Maps API を使えば、 Google の膨大かつ高精度な地図情報を自由自在に活用できます。
目的地までの時間・距離を算出できる
次に「ルート」に関する内容をご紹介します。
Google Maps API を活用することで、特定地点から目的地までの時間や距離を算出可能になります。なお、時間や距離を算出したい場合には、あらかじめ出発地と目的地を指定する必要があります。
さらに、 Google Maps API は自動車や自転車、徒歩など、移動手段ごとの所要時間を算出できるだけではなく、自動車で移動する場合は渋滞や事故などリアルタイムな交通状況を加味した上で最適な推奨ルートを示してくれます。
特定地点に関する情報を取得できる
最後に「プレイス」に関する内容をご紹介します。
Google Maps API では、特定地点に関する様々な情報を取得することができます。例えば Geolocation API を使えば GPS 機能がない環境でもユーザーの位置情報を特定可能になります。
また、任意の地点を指定して、その周辺の店舗やランドマークなどの情報を表示させることもできます。さらに、経度や緯度などをもとにタイムゾーンを取得することも可能であり、シーンに応じて幅広い活用が考えられます。
Google Maps API の料金体系
Google Maps API は使った分だけ料金が発生する従量課金制を採用しています。コミットメントや解約料、使用制限は存在しないため、自社の状況に応じて予算をコントロールできます。
以下、各プロダクトの 1,000 リクエストあたりの月額料金を表にまとめます。
プロダクト | 月額費用( 1,000 リクエストあたり) |
---|---|
Maps Static API | 2 米ドル |
Maps SDK for Android | 7 米ドル |
Maps SDK for iOS | 7 米ドル |
Maps JavaScript API | 7 米ドル |
Street View API | 7 米ドル |
Maps SDK for Android | 14 米ドル |
Maps SDK for iOS | 14 米ドル |
Maps JavaScript API | 14 米ドル |
Directions API | 5 米ドル |
Directions JavaScript | 5 米ドル |
Directions Advanced API | 10 米ドル |
Directions Advanced JavaScript | 10 米ドル |
Distance Matrix API (web : server ) | 5 米ドル |
Distance Matrix JavaScript | 5 米ドル |
Distance Matrix Advanced API (web : server ) | 10 米ドル |
Distance Matrix Advanced JavaScript | 10 米ドル |
Snap to Roads | 10 米ドル |
Nearest Roads | 10 米ドル |
Geocoding API | 5 米ドル |
Autocomplete (リクエスト単位) | 2.83 米ドル |
Autocomplete Place Details (セッション単位) | 17 米ドル |
Place Details API | 17 米ドル |
Find Place | 17 米ドル |
Place Photos API | 7 米ドル |
Current Place | 30 米ドル |
Geolocation API | 5 米ドル |
Time Zone API | 5 米ドル |
なお、 Google Maps API には「 1 ヶ月あたり 200 米ドル」の無料利用枠が設定されています。さらに、地図の読み込みは「 1 ヶ月あたり 28,500 回」まで無料となっています。
加えて Google Maps API はサポート体制も充実しており、 Stack Overflow や Maps API Public Issue Tracker から、コミュニティベースのプラットフォームと開発サポートも利用できます。
さらに、エキスパートのサポートを最大 24 時間年中無休で受けることができるサポートプログラムも用意されているなど、ビジネスシーンでも安心して利用できるツールだと言えるでしょう。
Google Maps API を活用した開発事例
本章では Google Maps API を活用した開発事例を一つご紹介します。
日本生命保険相互会社は 2017 年 5 月にエリア別の販売戦略策定をサポートするマップツールの運用を開始しました。従来、同社では本部が一方通行で方針を通達しており、現場が担当エリアをどのように考えているのか?をヒアリングできていませんでした。
やがて、外部環境の変化が激しくなる中で、地域特性に応じた独自の販売戦略を現場が提案し、本部とともに考えていく必要性が出てきました。そのため、マップツールで自社で保有している情報を Google マップ上にグラフィカルに表示し、任意のエリアや営業拠点における外部環境の分析を目指しました。このツールを導入することで、本部だけではなく現場も販売戦略を策定できるように環境を整備しようと考えたのです。
マップツールを検討する際、担当者の頭に真っ先に浮かんだのが Google マップだと言います。現場では IT リテラシーに格差があり、特殊な UI ではツールが浸透しないリスクがあったため、誰もが慣れ親しんでいる Google マップの活用を考えました。また、ストリートビューを使えることも大きな魅力であり、競合他社の拠点周辺がどのような環境なのか?を即座に写真で確認・分析できるのは大きなメリットとなります。
そして、検討を重ねた結果、同社はトップゲートが提案した Google ソリューションを採用しました。他ソリューションも検討していましたが、トップゲートの提案が圧倒的に納期が早く、費用も安かったため、これらが採用の決め手になりました。
こうして 2016 年 5 月より開発が始まりました。同システムは Google マップを制御するプラットフォームとして Google Maps API と Google App Engine を採用し、認証関連機能は Google Workspace (旧 G Suite )で構築しました。
要件検討はトップゲートの提案によりアジャイル手法で行われ、本部側で決めた大まかな要件をもとにトップゲートがクラウド上にデモ画面を構築し、本部側では実際に操作してレビュー、その結果をトップゲートが反映し、本部側で再レビューすることを繰り返して開発を進めていきました。
その後、 2016 年 9 月に本部向けのシステム公開が実現しました。結果として、これまで本部や現場が気付かなかった新しい発見が次々と生まれ、自社の業務効率化や生産性向上に大きく貢献したのです。本部の上位層からもマップツールの評判は良く、日々の業務の中で必要不可欠な存在となりました。
同社の開発担当者は当時を振り返り、トップゲートが Google ソリューションの豊富な実績を背景に積極的な提案を行い、スピード感を持って対応したことを高く評価しています。元々は抽象的だった要件に対して主体的にトップゲートが提案し、圧倒的なスピードで開発を進めたからこそ得られた結果だと言えるでしょう。
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まとめ
本記事では Google Maps API の概要や特徴、種類、できること、料金体系、開発事例まで、あらゆる観点から一挙にご紹介しました。
Google Maps API はとても便利なツールであり、 Google が保有する膨大かつ高精度な地図データを自社の Web サイトやアプリケーションに活用することができます。
また、マップやルート、プレイスなど、 Google Maps API には多くのカテゴリが存在し、様々なシーンで利用できる多種多様な API が用意されています。これらを活用することで、自社の業務効率化や生産性向上に大きく寄与します。
しかし、 Google Maps API はできることが広範囲であるが故に、自社だけで完璧に使いこなすのは難しいとも言えます。自社の要件や実現したいことを明確化し、数ある API の中から最適なものを選択・活用するには深い知識と豊富な実績・経験が求められます。
開発受託を行なっているパートナー企業は多数存在しますが、数あるパートナーの中でもトップゲートは多くの強みを持っています。 Google Cloud (GCP)の「プレミア認定」や「 MSP 認定」の取得に加えて、過去実績やノウハウも豊富に持ち合わせています。さらに、トップゲート自身が Google サービスを積極的に活用しているため、机上の空論ではない、現場に即したアドバイスを行うことができます。
Google Maps API の活用を検討されているようであれば、ぜひお気軽にトップゲートへお問い合わせいただけますと幸いです。
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