クラウド移行のメリット 7 選!失敗しないためのポイントまで徹底解説
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昨今、新型コロナウイルスの感染拡大をはじめとした、大きな社会変化が起こっています。このような変化に対応するため、多くの企業は業務システムをオンプレミスからクラウドへ移行し、より柔軟な経営基盤の構築に舵を切っています。
それでは、クラウド移行を実現することで企業はどのようなメリットを享受できるのでしょうか?本記事では、クラウド移行の概要や必要性をご説明しつつ、クラウド移行によって得られる代表的なメリットを 7 つに絞ってわかりやすくご紹介します。
目次
クラウド移行とは?
はじめに、クラウドについて簡単にご説明します。クラウドとは、「インターネット上の仮想基盤」を意味する言葉であり、PCやスマホなどの端末にデータを保存するのではなく、インターネット上に存在する仮想空間(サーバー)に保存して、運用する形態を指す言葉です。
つまり、クラウド移行とは、自社にサーバーを置いてシステムを運用するオンプレミス環境を仮想空間であるクラウド環境に移行することを意味しています。
近年、新型コロナウイルスの感染拡大や消費者ニーズの多様化、新技術の発展などにより、従来のオンプレミス運用では様々な変化に対応できない場面が増えてきました。そのため、多くの企業がクラウド環境への移行に踏み切っており、各クラウドベンダーは様々なクラウドサービスを市場に展開しています。
クラウドの詳細については、以下の記事が参考になります。
クラウド移行の必要性
昨今、様々な環境変化に伴い、あらゆる状況変化に対応できる柔軟な経営が求められています。
従来のオンプレミス運用では、サーバーやネットワークなどを自社で準備する必要があるため、急なリソース増減に対応することができず、柔軟なシステム運用は困難でした。
一方クラウドの場合は、自社で設備を準備する必要がありません。クラウド事業者と契約することで必要な分のリソースを自由に利用できるため、自社の状況に合わせた柔軟なスケーリング(利用量を増減すること)が可能になります。
このような背景から、多くの企業が業務システムのクラウド移行を進めています。
業務システムをクラウドへ移行することで、企業は様々なメリットを享受できます。柔軟な経営基盤を構築できることに加えて、運用負荷の軽減や新しい働き方の実現など、企業に求められる様々な課題を解決することが可能になります。
また、2018年に経済産業省が発表したレポートには「2025年の崖」というキーワードが明記されています。「2025年の崖」とは、オンプレミスの業務システムを長期間利用し続けることで、多額の経済損失をもたらすとされている問題です。
2025年は企業の IT システムに大きな変化が起こる年だと予想されており、何も対策を行わない場合は企業の競争力が著しく低下すると言われています。その結果、最大で12兆円もの経済損失が発生する可能性が叫ばれており、クラウド移行は全ての企業にとって避けては通れない経営課題となっています。
「2025年の崖」に関しては、以下の記事が参考になります。
【知らないとマズイ】2025年の崖とは?DXの推進にはクラウド化が必要不可欠!
クラウド移行のメリット 7 選
1.設備が老朽化しない
すべての設備を自社で用意するオンプレミスでは、定期的なメンテナンスをしないと設備が老朽化します。ただし、物理サーバーやネットワーク機器は高額なものも多く、これらが経営を圧迫することも珍しくありません。
しかし、クラウドは他社の環境を必要に応じて利用する形態であるため、自社がコストをかけて設備をメンテナンスする必要はありません。クラウド事業者が設備の保守や刷新を行なってくれるため、常に新しいハードウェアを利用可能になります。
2.BCP 対策を実現できる
オンプレミス運用においては、サーバーや機器などはすべて自社で管理・運用する必要があります。設備を置くための物理的なスペースも、自社内のどこかに用意しなければいけません。そのため、仮に大規模災害で自社設備が機能しなくなった場合、当然ながらサーバーは止まり、事業継続は不可能になります。
一方、クラウドは自社のデータを堅牢なデータセンターで保管することができますし、クラウドサービスのデータセンターは、自然災害に強い立地・構造になっているため、非常事態においてもデータの安全性は確保されています。
さらに、多くのクラウドサービスは定期的にバックアップデータを取得しているため、 BCP 対策としてクラウド環境を利用することで自社の大切なデータが消えてしまうリスクを低減し、災害後の事業継続や復旧に向けて素早いアクションが可能になります。
BCP 対策に関心のある方は以下の記事がオススメです。
3.サービスがパッケージ化されているものがある
一口に「クラウド」と言っても、その種類は多岐にわたります。例えば、クラウドの一種である Software as a Service )はソフトウェアやアプリケーションの機能をサービスとしてネットワーク経由で利用するモデルです。
代表的な例としては、メールやコミュニケーションツール、資産管理や監視といったソフトウェアを自身のサーバーリソースに導入するのではなく、ネットワーク経由でサービスプロバイダーから利用する形態を指しています。
オンプレミス環境で必要な機能を実装するためにはゼロベースでの開発が求められるケースもありますが、クラウド(SaaS)は特定の機能がサービスとしてパッケージ化されているので、自社の目的に応じて効率的に機能を実装することができます。
SaaS に関心のある方は以下の記事が参考になります。
クラウドの主流である SaaS とは何か?仕組みやメリットまでわかりやすく解説!
4.運用負荷を軽減できる
自社でサーバーを運用する場合、メンテナンスや保守を行なうための技術員が必要になります。仮にシステムトラブルが発生した際は、早急に改善しなければならず、大きな運用負荷がかかってしまいます。
一方、クラウド利用における保守や有事対応はクラウドベンダーが巻き取ってくれるため、システムの運用負荷を軽減でき、結果として人件費の削減にも繋がります。このように、運用負荷を軽減できる点はクラウド移行のメリットの一つであると言えるでしょう。
ただし、利用するクラウドサービスによって自社とクラウドベンダーの責任分界点は異なります。クラウドベンダー側の責任範囲ではない箇所は自社で対応する必要があるため、この点には注意してください。
5.柔軟にスケーリングできる
オンプレミスは IT 設備をすべて自社で用意するため、柔軟なスケーリングが困難になります。仮にリソースを増やしたい場合、物理サーバーを追加購入したり、新しいネットワーク回線を敷設したりする必要があり、多額のコストと長い時間を要します。
しかし、クラウドに移行することでこの課題は解決します。クラウドは簡単な手続きを行うだけでスケーリングが可能なため、自社の状況に合わせてリソースを自由に調整できます。変化の激しい現代において、この点は大きなメリットになると言えるでしょう。
6.働き方改革を実現できる
オンプレミスは社内利用を前提とした運用となっており、自社オフィスの中でしか業務システムへアクセスできないことが一般的です。「業務システムを使うために外出先から一回会社に戻る」という経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
一方、クラウドはインターネットに接続されていれば場所を問わずに必要な情報へアクセスできますし、多くのクラウドサービスはスマートフォンやタブレットなどの PC 以外のデバイスでも利用可能となっています。
近年、「働き方改革」というキーワードが強く叫ばれており、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も相まって、在宅勤務やテレワークなどの「オフィス外での業務」が広まっています。このような観点からも、クラウドへ移行することのメリットは大きいと言えます。
7.導入後すぐに利用開始できる
オンプレミスではシステムをゼロから設計・開発していくため、利用開始までに何ヶ月もの期間を要します。しかし、現代社会は短いスパンで市場傾向や顧客ニーズが変化するため「システムが完成する頃には状況が変わってしまった」という事態になりかねません。
一方、クラウドは既に完成されているサービスを利用するので、環境を移行した後もすぐに使い始めることができます。ビジネスの世界はスピードが命であり、迅速に社内のシステム環境を整えることで競合優位性に直結します。
クラウド移行のデメリット
カスタマイズが自由にできない
クラウドは完成しているサービスを利用する形態なので、会社ごとの個別カスタマイズは苦手です。カスタマイズできるサービスも中にはありますが、どうしても限界があり、細かい部分までは実現することができません。
そのため、自社要件に合わせた細かいカスタマイズをしたい場合はクラウドが不向きなケースも存在します。その場合は、オンプレミスで運用するか、一部だけクラウド化する「ハイブリッドクラウド」なども選択肢に入れましょう。
ハイブリッドクラウドに関心のある方は以下の記事が参考になります。
ハイブリッドクラウドとマルチクラウドの違いとは?メリット・デメリットについても徹底解説
ハイブリッドクラウドにした際のネットワーク構成と注意すべきポイントとは?
社内システムと連携できない場合がある
カスタマイズと同様の理由から、クラウドは社内システムとの連携にも制限があります。自社で使っている社内システムと連携できるか否かは、利用するサービスの仕様次第です。そのため、クラウド導入を検討する際は、事前にシステム連携の可否を確認することをオススメします。
利用中にサービスが終了するリスクがある
クラウドの場合、自社で利用しているサービスがいきなり提供終了してしまうリスクがあります。極端な話、サービス提供元の企業が倒産してしまえば、当然サービスも使えなくなってしまいます。
とはいえ、大手企業が提供しているサービスであれば、そこまで心配する必要はありません。クラウドを導入するときは、提供元企業の実績や信頼性をチェックした上で検討しましょう。
クラウド移行で失敗しないためのポイント
クラウドの導入目的を明確にする
クラウドを導入する前から、自社内で導入目的を明確にしておきましょう。そして、移行に関わる主幹部署だけでなく、社内全体で導入目的や導入計画を共有することが大切です。社員全員が納得した状態でクラウド移行を進めることで移行後の運用もスムーズになり、結果としてクラウド移行で失敗するリスクを低減できます。
予算と想定コストを把握する
想定外のコストを発生させないためには、自社の予算と想定コストを把握することが大切です。事前にコストシミュレーションを行うことで、大枠の利用料金は想定することができます。
コストシミュレーションには、「クラウドコスト計算ツール」が便利です。例えば、 Microsoft の「料金計算ツール」や Google の「 Google Cloud 料金計算ツール」などが挙げられます。会社としてコスト計算を標準化するためにも、社員がコスト計算ツールを使えるように社内教育を徹底しましょう。
「 Google Cloud 料金計算ツール」の使い方は以下の記事で詳しくご紹介しています。
サービス概要からGCPの想定利用料を計算してみよう!コスト試算のやり方紹介
クラウド移行における費用対効果の考え方は以下の記事が参考になります。
クラウド移行は費用対効果が重要!ROIで効果を見える化しよう!
クラウドサービスの詳細をチェックする
クラウド移行で失敗しないためには、事前にクラウドサービスの詳細を理解しておく必要があります。例えば、課金される条件を把握しておけば、過剰利用で想定外のコストが発生することを防げます。
また、具体的なサービス内容や仕様をチェックすることで、
- クラウド移行後に自社要件を満たせるのか?
- 自社が望んでいることを実現できるのか?
などのポイントをクリアにすることができます。
信頼できるパートナー企業を選ぶ
自社に IT に詳しい人間が多く在籍していれば問題ありませんが、多くの場合はパートナー企業にクラウド移行を相談・依頼することが一般的です。そして、このパートナー企業選びがクラウド移行の明暗を分ける大切なポイントになります。
特定の 1 社だけに絞るのではなく、複数のパートナー企業を比較して信頼できる会社を選びましょう。過去の実績やスピード感など、多角的な要素を加味して選定する必要があります。
なお、以下の記事で具体的な会社の選び方をご紹介しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。
クラウドインテグレーターとは何か?役割やメリット、会社の選び方まで徹底解説!
まとめ
本記事では、クラウド移行の概要や必要性をご説明しつつ、クラウド移行によって得られる代表的なメリットを 5 つに絞ってわかりやすくご紹介しました。
業務システムをオンプレミスからクラウドに移行することで、企業はコスト削減や運用負荷軽減など、様々なメリットを享受できます。また、変化の激しい現代社会においては、クラウドを活用した柔軟な経営基盤の構築が企業成長の鍵を握ると言えるでしょう。
クラウド移行で失敗しないためのポイントは多岐にわたりますが、特に大切なのがパートナー企業選びです。クラウド移行を自社完結することが難しい場合はパートナー企業へ相談することになりますが、会社選定を誤った場合は効率的なクラウド移行を実現できず、時間やコストを浪費してしまいます。
この記事でご紹介したポイントを見返して、多角的かつ慎重に自社に合ったパートナー企業を探してみてください。市場には多くの会社が存在するため、パートナー企業選びは容易な作業ではありませんが、クラウド移行を成功させる上では非常に重要なポイントになります。
パートナー企業の選び方は多岐にわたりますが、オススメの方法はパートナー制度を参考にすることです。公式に認められた制度であり、開発会社の質を見極めるためには最適な指標であると言えます。
そして、数あるパートナーの中でもトップゲートは多くの強みを持っています。「プレミア認定」や「 MSP 認定」の取得に加えて、過去実績やノウハウも豊富に持ち合わせています。さらに、トップゲート自身が Google Cloud (GCP)を積極的に活用しているため、机上の空論ではない、現場に即したアドバイスを行うことができます。
クラウド移行をご検討されているようであれば、ぜひお気軽にトップゲートへお問い合わせいただければ幸いです。
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