システム開発とは何か?種類や手順、成功させるためのポイントまで徹底解説!
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IT が広く浸透した現代において、「システム開発」は聞き慣れた言葉だと思いますが、その意味を正しく説明できる方は少ないのではないでしょうか。システム開発の漠然としたイメージは掴めていても、具体的な内容までは知らない人が意外と多くなっています。
そこで本記事では、システム開発とは?という基礎的な内容から、システム開発の種類や手順、成功させるためのポイントまで、あらゆる観点から一挙にご紹介します。
目次
システム開発とは?
システム開発とは、自社の業務効率化を実現するために、業務システムなどの仕組みを構築することです。設計やプログラミング、検証など、様々なプロセスを経て、自社に必要なシステムを開発します。
システム開発を行う際、「システムを構築する」という表現を使うことがありますが、これは建造物の構築のように物理的なものではありません。主にソフトウェアプログラムによって作業を進めていき、最終的に一つのシステムを構築します。
開発するシステムの種類は多岐にわたりますが、代表的なものとしては基幹システムや勤怠管理システムなどが挙げられます。一般的には、プログラマーやエンジニアがシステム開発を担当しますが、社外の開発会社に作業を委託するケースも珍しくありません。
昨今、在宅勤務やテレワークなど、様々なワークスタイルが普及し、消費者ニーズは高度化かつ多様化しています。このように、激しく変化する現代においては、柔軟な経営基盤を実現するシステム開発の重要性が益々高まっていると言えるでしょう。
システム開発の種類
一口にシステム開発と言っても、その種類は多岐にわたります。
以下、代表的なものを表にまとめます。
開発手法 | 概要 |
---|---|
アジャイル開発 | 開発プロセスを複数の段階に分けて、機能単位の小さなサイクルで繰り返す手法 |
ウォーターフォール開発 | システムに実装するための機能や仕様をすべて決めてから作業を開始する手法 |
プロトタイピング開発 | 初期段階でプロトタイプ(試作品)を作り、その内容をもとに仕様やプログラムを構築する手法 |
MVC モデル | プログラミングの中身をわかりやすく整理するために用いられる手法 |
スパイラル・モデル | システムをいくつかに細分化し、小さい単位のシステムごとに開発を進める手法 |
DevOps | 複数のセクションが協力しながら、システムを開発・運用していく手法 |
このように、システム開発には様々な手法が存在します。開発手法ごとに特徴が異なるため、自社の目的や実現したいことに合わせて、最適なものを選ぶことが大切です。
それぞれの開発手法について、詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。
こんなにたくさんあるの?様々なシステム開発手法のメリット・デメリットを徹底解説!
システム開発における登場人物
システム開発では、多くの人々が協力して作業を進めます。代表的な登場人物についてご説明します。
システムエンジニア(SE)
システムエンジニア(SE)とは、システムの要件定義を行う担当者です。どのような機能が必要なのかを検討し、それを実装するためのシステム設計を考えます。システム開発は最初の設計が品質を大きく左右する要素になるため、システムエンジニア(SE)の担う役割はとても大きいと言えます。
プログラマー(PG)
プログラマー(PG)とは、システムエンジニア(SE)が考えた要件定義を基にして、システムのプログラミングを行う担当者です。また、プログラムが正常に動作するかどうかを確認するテストについても、プログラマー(PG)が担う重要な役割となっています。
プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトマネージャー(PM)とは、システム開発のプロジェクト全体をマネジメントするリーダー的な存在です。プログラミングなどの実作業ではなく、メンバー管理や運用改善など、主にプロジェクトの全体管理を担当します。プロジェクトマネージャー(PM)は大きな裁量権を持っているケースが多く、強い責任感が求められます。
プロジェクトリーダー(PL)
プロジェクトリーダー(PL)とは、プロジェクトを牽引するリーダー的な存在です。プロジェクトリーダー(PL)の役割は会社や組織によって異なりますが、一般的にはプロジェクトマネージャー(PM)の補佐的な位置付けとして、細部に目を配りながらプロジェクトが円滑に進むように活動します。
プロダクトオーナー(PO)
プロダクトオーナー(PO)とは、プロダクト(製品)に対して責任を負う担当者であり、プロダクト開発の価値を最大化することを使命としています。プロダクトオーナー(PO)は開発プロセスにおける意思決定や製品の方向性決定などを担当するため、システム開発の中でも重要な役割の一つであると言えます。
プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)
プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)とは、その名前の通りにプロジェクトマネジメントを担当する部門を意味します。先程ご説明した PM と似ていますが、 PM はシステム開発プロジェクトの全体をマネジメントするのに対して、 PMO は全体のうちの一部をマネジメントする、という違いがあります。
また、 PM は特定の個人を指すことが多いですが、 PMO は個人ではなく部門を意味する言葉であり、システム開発の規模が大きくなればなるほど PMO の重要性は高まります。大規模開発ではプロジェクトを細分化して進めるケースが一般的なため、小さい単位のプロジェクトをマネジメントする PMO が大きな意味を持つわけです。
システム開発にかかるコスト
システム開発にかかるコストは開発規模に応じて大きく変動しますが、一般的には人件費が全体の8割を占めると言われています。詳しくは後述しますが、システム開発には様々な技術者が携わるため、人件費の割合が大きくなります。
また、システム開発における人件費では「人月」という考え方が採用されており、これは1日に8時間、1ヶ月に20日間の作業を実施することを前提として計算される単価です。
例えば、都市部に拠点を置く大企業の場合、エンジニアの1人月は100万円〜150万円程度であり、プログラマーは50万円〜100万円程度が人月の目安になります。そして、下請企業やフリーランス、地方企業の場合は、都市部の企業よりも人月が安くなる傾向にあります。
さらに、システム開発では、人件費以外にも設備費がコストに上乗せされるケースがあります。開発用のパソコンやサーバー、オフィスのレンタル費用などがこれに含まれます。システム開発を行う際は、事前にコストシミュレーションを行うことで、どれくらいの費用が発生するのかを把握しておくことが大切です。
そして、近年では海外の開発会社に自社の IT 業務(システム開発など)を委託する「オフショア開発」が注目を集めています。オフショア開発は日本国内での委託と比較して人件費を抑えられるため、コストを優先する場合には有効な選択肢になると言えるでしょう。
システム開発の進め方
以下、一般的なシステム開発の工程(流れ)です。
- 1.要件定義
- 2.システム設計
- 3.テスト
- 4.システム移行
- 5.運用・保守
ここからは、各プロセスについて詳しく解説します。
1.要件定義
要件定義とは、開発者視点からシステム構築における要求をまとめ、あらかじめ具体的な進め方や全体設計を決めることです。開発プロセス全体が不明瞭な場合、開発の方向性が定まらずに作業効率が低下します。そのため、要件定義はシステム開発を成功させるための重要なポイントだと言えるでしょう。
要件定義に関しては以下の記事が参考になります。
要件定義書とは何か?作成するまでの流れや重要なポイントを一挙に解説!
2.システム設計
次に、要件定義の内容をもとにしてシステム設計を行いますが、一般的にシステム設計は「外部設計」と「内部設計」の2つに分類されます。外部設計とはユーザーインターフェースの設計であり、内部設計とは目に見えない部分の設計です。あり、プログラミングやコーディングなどの作業が挙げられます。外部設計は主にユーザー視点での作業ですが、内部設計は開発者視点での作業になります。
内部設計や外部設計について詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。
わかりやすい!一般的なシステム開発の工程(流れ)を9ステップで解説
3.テスト
内部・外部の設計が終わった段階でテストを実施し、実際に構築したシステムが、要件定義で定めた基準を満たしているかどうかをチェックします。一口にテストと言っても、単体テストや結合テスト、運用テストなど、様々なテストが存在します。そのため、本運用を想定し、多角的にテストを実施することが大切です。
4.システム移行
すべてのテストが終了した段階で、古いシステムから新しいシステムへ移行します。システムを一斉に移行する「一斉移行」や段階的に移行する「順次移行」など、移行の方法は多岐にわたります。自社の状況に応じて、最適なシステム移行を検討してください。
5.運用・保守
運用・保守は新しいシステムを実環境で利用開始した後の話になりますが、システムが問題なく継続稼働できるようにメモリの利用状況などを随時チェックします。そして、問題が発生した場合は改善し、必要に応じてアップデートを行います。これを繰り返すことでシステム品質は向上し、自社の業務効率化や生産性向上に繋がります。
システム開発を成功させるためのポイント
システム開発を成功させるためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
以下、特に重要なポイントをご紹介します。
要件定義をしっかりする
システム開発を成功させるためのポイントとして、要件定義はとても重要なポイントの一つです。要件が固まっていない段階で開発に進んだとしても、自社の希望に沿った成果物を完成させることはできません。
システム開発の初期段階で社内ディスカッションを積極的に行い、システムの仕様や要件について理解を深めておくことが大切です。仮に自社だけで要件定義を行うのが難しい場合には、外部パートナーに相談してプロのアドバイスをもらうことも有効な手段になります。
組成メンバーの実績やスキルをしっかりと把握する
システム開発は個人単位で行うものではなく、プロジェクトメンバー全員がチームとして進めていく協同作業です。そのため、システム開発を担う組成メンバーの実績やスキルは、システム開発の成否に大きく関わります。
円滑なシステム開発を実現するためには、プロジェクトの全体計画やスケジュールを明確にした上で「どのような実績・スキルを持つメンバーが何名必要なのか?」を検討し、慎重に組成メンバーを選ぶことが求められます。特に PM や PL など、プロジェクトマネジメントに関わる人はメンバー把握が必須事項だと言えるでしょう。
システム開発の目的を明確化する
システム開発の目的は開発そのものではなく、システムの開発による業務効率化や生産性向上の実現です。そのため、システム開発を検討する際は、目的や実現したいことを明確化することが大切です。
目指すべきゴールが定まれば、あとは逆算して開発プロセスを設計するだけです。また、完成形がイメージできていれば、「どの開発手法を使えばスムーズに開発が進むのか?」という点をスムーズに検討できます。システム開発は目的ではなく、あくまで手段であることを忘れてはいけません。
自社に合った最適な開発手法を選択する
前述の通り、一口に「システム開発」とは言っても様々な手法が存在します。開発手法ごとに特徴やメリット・デメリットは異なるため、自社の状況に合わせて最適な開発手法を選択することが大切です。
そのためには、前項でご説明した目的の明確化がとても重要になります。まずは自社の目指すべきゴールを具体的に考えて、そこから逆算して効率的に作業を進められる開発手法を選んでください。適切な開発手法を選ぶことで作業効率は格段に上がるため、あらゆる角度から慎重に検討しましょう。
複数の開発会社を比較検討する
システム開発には専門的な知識や豊富な経験が求められるため、自社だけで完結するのが難しいケースも存在します。この場合、他社にシステム開発を依頼することになりますが、システム開発の依頼は会社選びがとても重要です。仮に会社選びを誤った場合、思うようなシステムを完成させることはできず、時間とコストを浪費してしまいます。
開発会社を選ぶ際にオススメの方法は、特定の1社だけに絞るのではなく複数の会社から話を聞き、相見積もりを取って比較検討することです。開発会社の選定はプロジェクトの成否を左右する大切な要素なので、慎重に検討を進めていきましょう。
また、相見積もりだけではなく RFP (提案依頼書)で複数社を比較検討することも可能です。 RFP には自社システムに必要な要件や実現したい内容を記載するため、そのベンダーが自社にとって最適な提案をしてくれるのか?を判断するための指標になります。
RFP に関心のある方は以下の記事が参考になります。
クラウドベンダーから自社に最適な提案を引き出す!RFP(提案依頼書)の作成方法とは?
まとめ
本記事では、システム開発とは?という基礎的な内容から、システム開発の手法や手順、成功させるためのポイントまで、あらゆる観点から一挙にご紹介しました。
企業にとって、システム開発はとても大切な要素の一つです。企業や組織の生産性はシステム品質に影響される部分が大きいため、利便性が高く高品質なシステムを開発することが、そのまま競合優位性に直結します。
システム開発においては様々な登場人物が存在し、多くのステップを経て作業を進めていきます。この記事を読み返して、大切なポイントを正しく理解しておきましょう。
なお、システム開発を成功させるためのポイントは多岐にわたりますが、その中でも開発会社の選定は最も大切な要素であると言えます。会社選びを誤った場合、期待していたシステムは完成せずに、時間やコストを無駄にしてしまいます。
開発会社の選び方は多岐にわたりますが、オススメの方法はパートナー制度を参考にすることです。公式に認められた制度のため、開発会社の質を見極めるには最適な指標です。
そして、数あるパートナーの中でもトップゲートは多くの強みを持っています。「プレミア認定」や「 MSP 認定」の取得に加えて、過去実績やノウハウも豊富に持ち合わせています。さらに、トップゲート自身が Google Cloud (GCP)を積極的に活用しているため、机上の空論ではない、現場に即したアドバイスを行うことができます。
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