PoC 開発のプロセスを5 STEP でご紹介!成功させるための重要なポイントとは?
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PoC 開発という言葉をご存知でしょうか? PoC をもとに開発を行う手法を意味する言葉であり、 PoC 開発を行うことで企業は様々なメリットを享受できます。しかし、 PoC 開発というキーワードは聞いたことがあっても、正しく意味を理解している方は少ないのではないでしょうか。
そこで本記事では、 PoC 開発の基礎知識やメリット、具体的なプロセス、成功させるためのポイントなど、あらゆる観点から一挙にご紹介します。
目次
PoC 開発とは?
PoC 開発とは、 PoC をベースにシステムやソフトウェアの開発を進めることです。 PoC とは、「 Proof of Concept 」という英語の頭文字を取った略語であり、新しい理論やアイデアを実行に移す際、その効果をあらかじめ検証するためのプロセスを指しています。
小規模かつ頻度高く PoC を行うことで、システムの問題点や課題の早期発見に繋がります。このような理由から、現在では多くの企業が PoC 開発で自社のシステムやソフトウェアを構築しています。
一般的な PoC 開発では、本運用に近い環境で PoC を行うことが望ましいとされています。仮に本番環境とかけ離れた環境で PoC を実施した場合、検証段階では上手くいったのに本番環境では機能しない、という事態に陥るリスクがあります。
そのため、実際の本運用を具体的にイメージした上で PoC を行い、その結果に基づいてシステム開発を進めてください。昨今、市場を取り巻く環境は激しく変化しているため、トライアンドエラーを繰り返しながら柔軟に開発を進められる PoC 開発の重要性は、益々高まっていると言えるでしょう。
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PoC 開発のメリット
PoC 開発を行うことで、企業はどのようなメリットを享受できるのでしょうか。代表的なものをいくつかご紹介します。
リスクマネジメントができる
PoC を実施せずにシステム開発を進めた場合、本格運用後に大きな問題が発覚する可能性があります。せっかく新しいシステムを開発しても、思うような効果を得られなければ、それまでに掛かったコストや時間は無駄になってしまいます。
しかし、 PoC 開発は本格導入前に小規模な検証を繰り返し行うため、その結果を踏まえて機能を改善することができます。これにより、大きな損害発生を防げるため、企業のリスクマネジメントに直結します。
コストや工数の削減に繋がる
自社でシステム開発を行う際、 PoC 開発で小さな単位の検証を重ねることで、問題点の早期発見に繋がり、開発途中でも方向修正を行うことができます。すべての開発が終わってから修正を行う場合、多くのコストと手間が発生しますが、 PoC 開発で意思決定を迅速化すれば、無駄なコストや工数を削減可能になります。
根拠をもってプロジェクトを進められる
システム開発を進める際、あらかじめ決められた IT 予算の中で物事を考えるケースが一般的です。そして、そのプロジェクトを進めるためには稟議や決裁を取得しなければならず、決裁者に納得してもらう必要があります。
PoC 開発では、 PoC の検証結果を数値で見える化できるため、プロジェクトを進める上での信頼できる根拠として使うことが可能です。これにより、決裁者からの承認をスムーズに取得できるため、その結果としてシステム開発を円滑に進めることができ、競合優位性に直結します。
自社の DX を推進できる
DX とは「最新のデジタル技術を駆使した、デジタル化時代に対応するための企業変革」という意味合いで使われているビジネス用語です。昨今、多くの企業がデジタル化に舵を切っており、自社の DX 実現を目指して様々な取り組みを行っています。
DX を実現するためには、変化する消費者ニーズに柔軟に対応し、その内容をシステムに迅速に反映する必要があります。 PoC 開発は小さいサイクルで検証を繰り返し行うことができるため、消費者ニーズを踏まえながら開発を進めることができ、結果として自社の DX 推進に繋がります。
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PoC 開発の事例
実際に多くの企業が PoC 開発を活用したシステム開発を実践しています。具体的な事例をいくつか見ていきましょう。
配送ドライバーの意見を反映したアプリ開発
とあるスタートアップ企業では、配送業界の DX 推進をサポートしています。同社では、高齢化によるドライバー不足という配送業界の課題に対して、配送ドライバーの業務サポートや業務の属人化回避に繋がるアプリケーションを開発しました。
ここで、アプリケーションの開発手法として採用されたのが PoC 開発です。実際に配送を担当しているドライバーから意見を募り、その内容をもとに PoC を繰り返しながら開発を進めました。その結果、プロジェクトのスタートからわずか半年でネイティブアプリケーションを完成させたのです。
ユーザーの声を活用したアプリ品質の向上
とあるビールメーカーでは、飲食店や販売店に特定の営業担当が付き、届いたオーダーに対して個別対応を行っていました。しかし、顧客ごとにオーダー方法などが異なるため、システム入力時に大きな手間が発生する点が大きな課題となっていました。
そこで同社は、この課題を解決すべく新しい発注プラットフォームの開発を企画しました。営業担当や販売店へヒアリングを行い、要件を固めながら開発を進めました。そして、完成した試作品を一部の飲食店に試験導入し、ユーザーの声を拾いながらアプリの品質改善を実現したのです。
PoC をベースとした音楽ゲームアプリの開発
とある電子楽器メーカーでは、リズム感やテンポ感を身に付けるための音楽ゲームアプリを開発していました。同社では、新しいビジネスモデルを構築するために、新規ユーザー層の獲得を目指していましたが、若年層や女性へのアプローチが弱い、という点が課題となっていました。
そこで、アプリケーションを開発する上で「個人のリズム感を尊重する」というコンセプトを明確に掲げ、ユーザーごとに自由にアレンジできる仕様へ変更することにしました。これを実現するため、何度も PoC を繰り返し、ゲームアプリのベースとなるレスポンス性の柔軟な調整を実現したのです。
PoC 開発のプロセスを5ステップで紹介
PoC 開発を進める場合は、
- STEP 1.目的の明確化
- STEP 2.検証方法の検討(プロダクト作成)
- STEP 3.本番環境での検証
- STEP 4.評価
- STEP 5.システムの機能改善
という、5つのプロセスを順番に行う必要があります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
STEP 1.目的の明確化
まずは PoC の目的を明確化することが大切です。 PoC を行うことで、具体的にどのようなデータを知りたいのかを事前に考えておきます。目的がブレてしまうと、せっかく PoC をしても効果が薄れてしまうため、多角的かつ慎重に検討してください。
STEP 2.検証方法の検討(プロダクト作成)
目的を明確化した後は、どのような方法で検証を行うのかを考えていきます。事前に決めた目的から逆算して、どのようなプロダクトで検証を行えば必要なデータを取得できるのか?という観点で、 PoC に利用するサービス・プロダクトを用意しましょう。
この時、用意するサービス・プロダクトは MVP であることが重要なポイントです。 MVP とは 「 Minimum Viable Product 」の略であり、最低限の機能を搭載したサービス・プロダクトを意味しています。検証を行うためにサービスの簡易版を作る、という点は PoC と共通していますが、両者は明確に異なるものとして区別されています。
PoC は自社利用を前提として簡易版のプロダクトを用意するのに対して、 MVP はマーケットの反応を確認するためにプロダクトを作成します。つまり、検証の目的が異なるため、 PoC と MVP を混同しないように気を付けてください。
STEP 3.本番環境での検証
PoC に利用するプロダクトが完成したら、いよいよ本番環境での検証を始めます。この時、できるだけ本番運用に近い環境で PoC を行うことが大切です。これにより、データの信頼性が向上するため、 PoC の効果を最大化でき、精度の高い意思決定が可能になります。
STEP 4:評価
検証が終わったら、その結果をもとに評価を行います。実用性やパフォーマンスなど、あらゆる観点から多角的に評価を行ってください。これにより、現時点でのシステムの問題点を見える化でき、その後の開発に活かすことができます。
STEP 5.システムの機能改善
評価した内容を踏まえて、問題点や課題を改善し、システムの品質向上を目指します。このように、小さな単位で PoC を繰り返し、 PDCA サイクルを回しながら開発品質を高めていくことが、 PoC 開発の本質であると言えるでしょう。
PoC 開発を成功させるためのポイント
PoC 開発を成功させるためには、どのような点を意識する必要があるのでしょうか。重要なポイントをいくつかご紹介します。
PoC の目的を明確化する
前章でもご説明しましたが、 PoC 開発を成功させるためには、最初の段階で目的を明確化することが重要です。 PoC によって得られた検証結果は、その後のアクションを左右する大切な要素になります。
しかし、検証目的が定まっていない場合、 PoC の結果を意思決定に使うことができず、時間やコストを浪費してしまいます。 PoC の目的を慎重に検討し、ゴールから逆算して検証を進めていきましょう。
小規模かつ迅速に進める
小規模かつ迅速に進めることが PoC 開発を成功に導く重要なポイントになります。大規模な PoC を行った場合、検証の中で問題点が発覚すれば、システム改修にかかる工数は非常に大きくなります。
一方、小規模に PoC を行うことで、システム改修の工数は低減され、開発途中の方向転換も柔軟に行うことが可能になります。さらに、小さい単位で検証を進められるため、アクションの迅速化にも繋がり、スピーディーな意思決定を実現できます。
なお、マーケットの反応をサービス・プロダクトに即座に反映するためには、前述した MVP の存在が必要不可欠です。 PoC 開発の効果を最大化するためにも、 MVP の準備は慎重に行なってください。
本運用に近い環境を再現する
PoC の目的は「本番環境において問題なく運用できるのか?」という点をチェックすることです。そのため、 PoC 開発を行う際は、できるだけ本運用に近い環境で検証を進めることが大切です。
本運用とかけ離れた環境で PoC を実施した場合、仮にその検証結果が問題なかったとしても、いざ本運用に移ったら想定外のトラブルが起きた、という事態になりかねません。適切な検証環境を整えることが、 PoC の精度を大きく左右すると言えるでしょう。
信頼できる開発会社に依頼する
前述の通り、 PoC 開発を行う上では、目的や規模感、検証環境など、様々な要素を検討する必要があります。そのため、専門的な知識が必要になる場合があり、自社だけで PoC を行うのが難しいケースも存在します。
自社完結が難しい場合は、外部の開発会社への委託が有効な選択肢になりますが、会社ごとに特徴や強みは異なるため、どの開発会社を選ぶのか?はとても重要なポイントです。仮に会社選びを誤った場合、適正な PoC を実施することはできず、時間やコストを浪費してしまいます。
そのため、信頼できる開発会社に依頼することが、 PoC 開発を成功させるための重要なポイントだと言えるでしょう。複数の会社を比較検討して、自社に適した開発会社を選ぶようにしてください。
具体的な会社選びの方法は以下の記事を参照にされてください。
失敗しないシステム/ソフトウェア開発会社の選び方!判断指標から判断基準まで一挙公開
まとめ
本記事では、 PoC 開発の基礎知識やメリット、具体的なプロセス、成功させるためのポイントなど、あらゆる観点から一挙にご紹介しました。
PoC 開発は大きな注目を集めている開発手法の一つであり、正しく実践することで適正なリスクマネジメントやコスト削減など、あらゆるメリットを享受できます。ただし、 PoC 開発は闇雲に進めれば良い、というものではなく、重要なポイントをおさえながら慎重に進める必要があります。
また、 PoC を進める上で専門知識が求められることも多く、自社完結できない場合は外部の開発会社に委託することが有効な選択肢になります。ただし、会社選びを誤った場合、適切な PoC ・システム開発を実現することはできず、時間やコストを無駄にしてしまいます。
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