【初心者向け】データ分析基盤の構築における失敗例と失敗しないための3つの重要なポイントとは?
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昨今、情報のビッグデータ化が進み、データ活用の重要性は益々高まっています。これに伴い、自社のデータを効率的に活用するためのデータ分析基盤が大きな注目を集めています。
しかし、データ分析基盤の構築は容易ではなく、正しい進め方をしないと失敗してしまうリスクもあります。そこで本記事では、データ分析基盤の基礎的な内容を解説しつつ、データ分析基盤の構築における失敗例や失敗しないためのポイントをわかりやすくご紹介します。
目次
データ分析基盤とは?
データ分析基盤とは、様々なデータを一元的に統合し、それらを分析・活用するためのプラットフォームです。簡単なデータ分析であれば Excel で行うことも可能ですが、複雑な分析をしたい場合は、データ分析基盤を利用します。
例えば、複数人で分析作業を分担しながら進める場合や、扱うデータ量が膨大である場合にはデータ分析基盤が効果を発揮します。また、最近ではデータ分析に AI が利用されるケースも増えており、 AI を用いたデータ分析では分析作業を繰り返し行うため、データ分析基盤を使うことで処理を効率化できます。
このように、データ分析基盤は自社のデータ活用を促進する上で重要な役割を担っています。情報のビッグデータが進む現代においては、データ分析基盤の重要性は益々高まっていると言えるでしょう。
データ分析基盤の4つの構成要素
データ分析基盤は大きく分けて4つの要素から構成されています。それぞれについて、順番に見ていきましょう。
データ収集
データを分析するためには、そのもとになるデータが必要になります。自社システムのデータや Web サイトのアクセスログなど、様々な情報源からデータを抽出し、データ分析を進めるための材料を収集します。データを効率よく集めるためには DWH の導入が効果的です。
DWH に関心のある方は以下の記事がオススメです。
データウェアハウス(DWH)とは?メリットや活用例まで一挙に紹介
データ保管
必要なデータを集めた後は、それらを適切に保管しておくことが重要です。データは持っているだけでは意味がなく、分析・活用してこそ真の価値を発揮します。そのため、必要なデータをすぐに取り出せる仕組みを構築する必要があります。膨大なデータを効率的に管理するためには、データレイクを活用すると良いでしょう。
データレイクに関心のある方は以下の記事がオススメです。
データの定義からデータレイクとデータウェアハウス(DWH)の違いをわかりやすく解説!
データ加工
データ分析では、自社が保有するデータをすべて使うわけではありません。分析に使うデータを抽出し、状況に応じて集計や統合などの加工を施す必要があります。データ加工をスムーズに進めるためには ETL の活用がオススメです。 ETL で加工・整理したデータは DWH で保管します。
ETL に関心のある方は以下の記事がオススメです。
データの活用で生産性向上!「BIツール」と「DWH」や「ETL」との違いとは?
データ分析・可視化
最後に、加工したデータを分析します。ただし、分析結果は数字の羅列のような状態になっているため、これを人間がわかりやすいように可視化する必要があります。データの可視化には BI ツールが有効なソリューションになります。 BI ツールの活用により、人間がデータの特徴を把握できるように、グラフや表などを用いて分析結果をビジュアライズできます。
BI ツールに関心のある方は以下の記事がオススメです。
BI ツールとは何か?メリット、デメリット、活用事例まで、一挙に紹介!
データ分析基盤における失敗例
昨今、データ分析基盤を活用する企業は増えていますが、そのすべてが成功しているわけではありません。代表的な失敗例を順番に見ていきましょう。
成果が出ない
せっかくデータ分析をしたのに思うような成果が出ない、というケースを考えてみます。このとき、「成果が出る」という言葉をどのように捉えるのか、が重要です。
多くの人は「成果が出る」とは「期待していた分析結果が得られること」だと考えていますが、それがすべてではありません。例えば、 A と B という2つの要素の相関性を分析する場合、仮に両者の間で相関性が認められなかった場合でも「 A と B には相関性がない」という事実を知ることができます。
そして、この結果を踏まえて、別の要素同士を組み合わせて相関性分析を行うことで、思いがけぬ発見があるかもしれません。つまり、成果が出ないことはそれ自体が失敗ではなく、有益な情報を得られるまで分析を継続できていない、とも言えるのです。
データ分析ツールを使いこなせない
膨大なデータをもとにデータ分析基盤でデータ分析を行うためには、豊富な知識や専門的なスキルが必要になります。そのため、複雑な分析ツールを使っている場合は、うまく分析を進められないこともあるでしょう。
特に、データサイエンティストなどの IT 人材が社内にいない場合、この傾向はさらに強まります。結果として、データ分析基盤の効果を最大限に発揮することができず、データ分析が不完全なまま失敗に終わってしまうのです。
データ分析まで辿り着けない
データ分析を行うためには、その前準備としてデータ収集やデータ加工などが必要になります。分析に使うための材料がすべて揃って初めて、データ分析を進めることが可能になるのです。
しかし、膨大かつ多様なデータの収集・加工は容易ではありません。場合によっては、この前準備だけで数ヶ月を要してしまい、せっかくデータ分析基盤を構築しても、データ分析まで辿り着けないこともあります。
また、 POS データや EC サイトのアクセスログ、画像・動画に代表される非構造化データなど、多様なデータを取り扱う場合にはハードルがさらに高くなります。状況によっては、様々なデータに対応するために複数のツールを導入し、時間だけでなくコストを浪費してしまうこともあるでしょう。
目的が不明瞭になってしまう
データ分析基盤は「構築すれば良い」というものではありません。自社においてデータ分析基盤を活用する目的が不明瞭な場合、取り扱うデータの量や種類を具体的にイメージできず、思うような効果を得ることはできないでしょう。
データ分析基盤を構築するためには、多くの工数やコスト、長い時間を要することも珍しくありません。そのため、せっかくデータ分析基盤を構築しても徒労に終わってしまい、無駄な費用や時間を費やすことになります。
データ分析基盤導入の失敗事例
本章では、データ分析基盤の導入を検討したものの、結果的に失敗に終わってしまった企業の失敗事例をご紹介します。
アパレル企業
EC サイトを運営している某アパレル企業では、売上最大化のためにデータ分析基盤の導入を検討していましたが、店舗やサイトごとに様々なデータが点在しており、統一的な管理ができていない点が課題となっていました。
データ分析基盤を活用するためには、分析に使用するデータに対して抽出や統合などを行う必要がありますが、このデータ処理の工数が想定以上に大きくなり、結果としてデータ分析基盤の導入まで至らずにプロジェクトは頓挫してしまいました。
スポーツメーカー
某スポーツメーカーは全世界にビジネスを展開していましたが、日本市場における EC サイトの収益が低迷しているという課題がありました。
そこで、データ分析基盤をはじめとした様々なツールを導入しましたが、このプロジェクトは失敗に終わりました。多くのツールを導入したことでそれらを使用するための工数が増大し、結果として運用できなくなってしまったのです。
通販メーカー
健康食品を扱う某通販メーカーは 100 万人以上の会員を有しており、これらのデータを活用したマーケティングを検討していました。
そこで、マーケティング部門がツール導入に踏み切りましたが、社員の IT リテラシーが不足しており、自社のシステム部門の力を借りなければ作業が進まなかったのです。その結果、マーケティング部門とシステム部門の関係が悪化し、データ活用基盤が有効的に使われることはありませんでした。
データ分析基盤の構築で失敗しないための3つのポイント
前章では、データ分析基盤における代表的な失敗例をご紹介しました。それでは、失敗しないためには、どのような点を意識すれば良いのでしょうか。大切なポイントを3つご紹介します。
あらゆる観点から分析を行う
データ分析を行う際には、あらかじめ様々な仮説を立てておき、あらゆる観点から分析を行うことが重要です。データ分析は一過性のものではなく、継続的に実行してこそ真の価値を発揮します。
そのため、一度きりの分析で終わらせるのではなく、様々なパターンで何度も分析を繰り返し、得られた分析結果をもとに次の分析を検討します。このように、データ分析基盤上で PDCA サイクルを定期的に回すことで、データ分析の効果を最大化でき、有益な情報を得られる可能性が高まります。
社内ルールを定める
データ分析基盤を構築する上で、社内ルールの制定は大切なポイントです。データ分析基盤は多くの社員が活用できる状態にしておくべきであり、特定の人間しか扱えない場合、その存在価値は低くなってしまいます。
データ分析基盤を誰でも使えるようにするためには、プロジェクト名やテーブル名などを一定のルールに従って命名する必要があります。また、各種テーブルの定義や利用方法などを第三者が理解できるように、ドキュメントとして残しておくことも効果的です。
このように、社内の統一ルールを設定しておくことで、誰でも効率的にデータ分析基盤を活用することが可能になります。組織全体がデータ活用を行うことで、多角的な目線でデータ分析を実行できるようになり、自社の生産性向上にも直結するでしょう。
使いやすいデータ分析ツールを選ぶ
データ分析基盤の構築で失敗しないためには、使いやすいツール選びは必要不可欠です。複雑で使いにくいツールを選んだ場合、データ収集やデータ加工などの前準備に時間を要してしまい、データ分析自体もうまく進めることが難しくなります。
そのため、直感的で使いやすいツールを選択すると良いでしょう。また、データ分析における一連のプロセスを一気通貫で処理できるような、多くの機能を搭載したツールが理想的だと言えます。
仮に、プロセスごとに異なるツールを導入した場合、操作が煩雑になる点に加えて、ツールの導入コストも跳ね上がってしまいます。しかし、一つのツールですべてを完結できれば、業務効率化とコスト削減を同時に実現できるのです。
データ分析基盤の構築は Google Cloud (GCP)がオススメ
データ分析基盤を自社だけで構築するのは難しいため、一般的には IT ツールを導入して作業を進めます。データ分析基盤の構築に使えるツールは多く存在しますが、それぞれ強みや特徴が異なるため、ツール選択がとても重要になります。
前章のポイントを踏まえると、データ分析基盤の構築には Google Cloud (GCP)がオススメです。 Google Cloud (GCP) は Google が提供するパブリッククラウドサービスです。同じ種別のサービスとしては、 Microsoft 提供の「 Azure 」や Amazon 提供の「 AWS 」などが挙げられます。
データ分析基盤の構築に Google Cloud (GCP)がオススメな理由として、 BigQuery というサービスの存在が挙げられます。
BigQuery とは、 Google Cloud (GCP)で提供されているビッグデータ解析サービスであり、フルマネージドなデータウェアハウス(DWH)です。フルマネージドとは、ほぼすべてのサーバー管理をお客様に代わって代行するものであり、ユーザーは手間なくサービスを使うことができます。
BigQuery では、通常では長い時間かかるクエリを、数 TB (テラバイト)、数 PB (ペタバイト)のデータに対し数秒もしくは数十秒で終わらせることができます。100 % クラウドで提供されているため、サーバーレスでスケーラビリティがあり、非常にコストパフォーマンスに優れています。他の多彩な Google Cloud (GCP)の提供するサービスともシームレスに連携もでき、扱いやすいサービスの一つとなっています。
その他、 BigQuery には、
- データベースの専門知識がなくても扱える
- コストパフォーマンスが高い
- セキュリティレベルが高い
など、様々なメリットがあります。
そして、 Google Cloud (GCP)には BigQuery 以外にも様々なソリューションが搭載されています。例えば、 DWH は BigQuery 、 ETL は Dataflow 、 BI ツールは Looker など、高性能かつ使いやすいサービスが多く用意されているため、一気通貫したデータ処理を効率的に進めることができます。
このように、 Google Cloud (GCP)を活用することで、安全なセキュリティ環境でデータ分析基盤を構築することができ、情報漏洩などの各種リスクを低減した形で、安心して作業を進めることが可能になります。データ分析基盤を構築する上では Google Cloud (GCP)がオススメのソリューションであると言えるでしょう。
DWH に関心のある方は以下の記事がオススメです。
データウェアハウス( DWH )とデータベースとの違いとは?5つのポイントを理解して最適なサービスを選択しよう!
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次世代BIツール「Looker」の概要と導入時の注意点をご紹介!
まとめ
本記事では、データ分析基盤の基礎的な内容を解説しつつ、データ分析基盤の構築における失敗例や失敗しないためのポイントをわかりやすくご紹介しました。
情報のビッグデータ化が進む現代において、データ分析の重要性は益々高まっています。データ分析基盤を活用することで、企業は様々な有益情報を取得でき、今後の戦略策定や意思決定に役立てることができます。
データ分析基盤を構築するためのポイントは多岐にわたりますが、その中でもツール選びはとても重要です。最適なツールを選択することで、組織全体でデータを有効活用でき、自社の業務効率化や生産性向上を実現できます。
そして、データ分析基盤の構築には Google Cloud (GCP)がオススメです。高機能なデータ分析ツールである BigQuery をはじめとした様々なソリューションが内包されており、安全な環境でデータ分析基盤を構築することが可能になります。
本記事を参考にして、ぜひ Google Cloud (GCP)の導入および BigQuery の活用を検討してみてはいかがでしょうか?
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