データ分析に必要なスキルとは?「思考」と「技術」の2つの側面から徹底解説!
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昨今、 AI や IoT に代表される新しい情報技術の登場により、企業が保有するデータ量は年々増加しています。このような状況下において、企業が効率的な経営を実現するためには、自社に存在する膨大なデータを分析・活用し、最適な経営戦略を立てる必要があります。
データ分析という言葉は様々なシーンで目にしますが、実際にデータ分析を行うためにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。本記事では、データ分析に必要なスキルからオススメのツールまで、あらゆる観点から一挙にご説明します。
目次
データ分析の重要性
はじめに、データ分析の重要性を理解しておきましょう。データ分析が求められる理由は多く存在しますが、ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。
新技術の登場
近年、新しい情報技術が続々と登場しており、様々な分野で IT 化が進んでいます。代表的な例としては「 IoT 」や「人工知能( AI )」などが挙げられます。
これらの新技術は「ビッグデータ」と呼ばれる「膨大で多様性のある情報群」を前提としたものであり、企業が IT 化を実現するためにはデータの分析・活用が必要不可欠となっています。
市場ニーズの多様化
社会全体における IT 化の加速に伴い、市場ニーズが多様化しています。様々な情報技術により便利な世の中になった一方で、消費者が求めるサービスやコンテンツは今まで以上に多岐にわたります。
多様化するニーズに応えるためには、消費者の年代、性別、居住地域、趣味趣向などの属性データを分析し、適切かつ有効な打ち手を検討する必要があります。データを効果的に分析・活用することで、社会のニーズに即した適切な経営戦略を打ち出すことが可能になります。
働き方の変化
従来は会社に出社して仕事をすることが一般的でしたが、現在は働き方にも変化が現れています。在宅勤務やテレワークなどの新しいワークスタイルが登場し、東京都の「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」のような助成金も整備されました。
社員がオフィス以外で働く環境を整えるためには、パソコンの管理ログやネットワークのセキュリティ状況などの様々なデータを管理・分析し、リスクを最小限に抑える必要があります。このような観点からも、企業におけるデータ分析の重要性は高まっていると言えます。
データ分析に必要なスキル(思考編)
データ分析に必要なスキルは多岐にわたりますが、大きく分けると「思考的なスキル」と「技術的なスキル」の2つに分類できます。
ここからは、データ分析に必要なスキルを思考編と技術編の2つに分けて、具体的な内容を詳しくご紹介します。
データ活用に対する意識
データ分析を考える際の大前提として「データ分析がゴールではない」という意識を持つことが大切です。データ分析はあくまでも手段の一つに過ぎず、データ分析によって得られたデータを活用することで、その後の具体的なアクションを実行に移すことができます。
そのため、データ分析を単体のものとして考えるのではなく、分析後のデータ活用までを見据えて全体を捉える必要があるのです。この意識を持つことで、後々のデータ活用を進めやすい形でデータ分析を行うことができるため、全体プロセスの効率化に繋がります。
洞察力と判断力
一般的なデータは、一目見ただけでは意味をなさない数字の羅列であることが多いです。そのため、膨大なデータから信頼できる傾向値などを見出すためには、鋭い洞察力が必要になります。
また、データ分析を行う上では、様々な分析パターンで AB テストなどを行うシーンも存在するため、正しいものを選択するための判断力も大切なポイントです。これらのスキルを磨くことで、質の高いデータ分析を実現でき、その後に行うデータ活用の効果を最大化することができます。
コミュニケーション力
データ分析は個人作業と思われがちですが、実はコミュニケーション力も重要な要素になります。なぜなら、データは分析して終わりではなく、その分析結果をもとに活用方法を提案してこそ、真の価値を発揮するためです。
そのため、データの分析結果の意味や、その分析結果を今後どのように活用していくのかなど、知識が浅い人にもわかりやすく説明する必要があります。だからこそ、データ分析とコミュニケーション力は密接に関係しており、場合によってはプレゼンテーションスキルが求められることもあります。
ロジカルシンキング
データ分析を行うためには、ロジカルシンキングが必要不可欠なスキルになります。ロジカルシンキングとは、物事を論理的に組み立てながら順序立てて考える思考法です。
データ分析の目的は、膨大なデータを分析することで、自社にとって有効な情報(分析結果)を得ることです。この結果をもとにして、自社の業務効率化や経営戦略策定などを進めていきます。そのため、データ分析を行う際は、目的から逆算して、欲しい結果を得るために必要な情報や処理手順、分析ルールなどを決めることが大切です。
クリティカルシンキング
ロジカルシンキングと同様に、クリティカルシンキングもデータ分析において重要なスキルになります。クリティカルシンキングとは、物事を客観的に捉えることで「本当にこれで合っているのか?」と自問自答しながら考える思考法です。
データ分析においては、必ずしも欲しい結果を得られるとは限りません。仮に期待していたデータが導き出されたとしても、そのデータが本当に信頼性のあるものなのかを客観的に考えることで、情報の精度が上がっていきます。その結果として、質の高いデータ分析を実現でき、自社の課題解決や生産性向上に直結します。
データ分析に必要なスキル(技術編)
次に、技術的な観点からデータ分析に必要なスキルを見ていきましょう。
プログラミングスキル
膨大なデータを分析する際、すべてを手作業で行うのは非現実的です。とても大きな工数が掛かりますし、ヒューマンエラーが発生するリスクも高まります。仮に誤った操作をした場合、正しいデータ分析を実行できず、得られる結果は意味のないものとなってしまいます。
そのため、データ分析を効率化するためのプログラミングスキルは必要不可欠だと言えるでしょう。例えば、データベース構築やアルゴリズム作成、プラットフォームへのデータ統合などが挙げられます。 Python や C 言語、 Java 、 C++ などが代表的なプログラミング言語になります。
バックエンドに関する知識
バックエンドとは、ユーザーには見えない裏側の部分を意味する言葉です。例えば、サーバーサイドの処理やデータベースのシステムなどが該当します。データ分析を行う際、データウェアハウス(DWH)の設計やネットワーク設定など、バックエンドの仕組みを理解しておけば、効率的に作業を進めることができます。
特に SQL は重要度の高いデータベース言語であり、 SQL を活用することで、膨大なデータに対する更新や削除、追加、集計、検索など、あらゆる操作を実行できるため、必ず身に付けておきたいスキルの一つとなっています。
SQL に関心のある方は以下の記事が参考になります。
データベース運用を効率化する SQL とは何か?メリットやデメリット、活用事例まで一挙に紹介!
データの分析手法に関する知識
一口に「データ分析」とは言っても、実はデータ分析には数多くの手法が存在します。例えば、複数データ同士の相関関係を分析する「クロス集計」や、特定の事象が起こる確率を予測する「ロジスティック回帰分析」などが挙げられます。
これらの手法はそれぞれ異なる特徴を持っており、取り扱うデータの種類やデータ分析の目的によって、最適な分析手法は変化します。そのため、様々なデータ分析手法に関する知識を持つことで、状況に応じて適した手法を選択することができ、結果としてデータ分析における業務効率化や分析精度の向上に繋がります。
データ分析の手法に関心のある方は以下の記事が参考になります。
ビッグデータ活用が企業成長の鍵!データ分析の手法や具体的な手順を徹底解説!
データ分析ツールの活用スキル
データ分析ツールとは、データ分析をスムーズに行うための機能が搭載されたツールです。市場には数多くのデータ分析ツールが存在しており、複雑な計算を簡単に処理したり、分析結果をダッシュボードにわかりやすく表示したりするなど、データ分析のプロセスを効率化してくれます。
Excel などを使ってデータを分析することも可能ですが、扱うデータ量が大きい場合は動きが重くなります。また、複雑な計算や処理が必要になるため、すべてを自社で構築するのは難しいケースも存在します。このような場合に、データ分析ツールが効果を発揮するのです。
ただし、データ分析ツールは導入すれば良い、というものではありません。自社が扱うデータの特徴や、最終的に取得したい分析結果に応じて、ツールに搭載されている様々な機能を適切に活用する必要があります。そのため、データ分析を効率的に進めたい場合には、データ分析ツールの活用スキルはとても重要だと言えるでしょう。
データ分析にオススメのツールをご紹介!
データ分析に役立つサービスは数多く存在しますが、サービスごとに強みや特徴は異なります。自社に適していないサービスを選んでしまった場合、思うような効果を得ることはできず、せっかくツールを導入してもコストが無駄になってしまいます。
そこで、本章ではデータ分析にオススメのツールをいくつか抜粋してご紹介します。
BigQuery
BigQuery とは、 Google Cloud (GCP)で提供されているビッグデータ解析サービスであり、フルマネージドなデータウェアハウス(DWH)です。フルマネージドとは、ほぼすべてのサーバー管理をお客様に代わって代行するものであり、ユーザーは手間なくサービスを使うことができます。
また、データウェアハウス(DWH)とは、業務に関する情報をまとめて保管しておくためのデータベースです。様々なシステムからデータを保存し、それを分析するために整理する、データの保管庫のようなイメージです。
BigQuery では、通常では長い時間かかるクエリを、数 TB (テラバイト)、数 PB (ペタバイト)のデータに対し数秒もしくは数十秒で終わらせることができます。100 % クラウドで提供されているため、サーバーレスでスケーラビリティがあり、非常にコストパフォーマンスに優れています。
さらに、他の多彩な Google Cloud (GCP)の提供するサービスともシームレスに連携もでき、扱いやすいサービスの一つとなっています。データ分析を行う上で BigQuery はとても有効なツールの一つであると言えるでしょう。
データウェアハウス(DWH)に関心のある方は以下の記事が参考になります。
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Looker
Looker は BI ツールの一種であり、データガバナンスの構築によってあらゆる部門・チームによる正しいデータの取得を可能にし、各種ツールとの連携までをカバーするデータプラットフォームとなっています。2019年に正式に Google Cloud (GCP)の一員となりました。
一般的な BI ツールは集計や可視化の機能に特化したものが多いですが、 Looker はデータモデルの作成や集計、可視化、データ連携、データのエクスポートまで、幅広い範囲をカバーする機能を搭載しているため、自社のデータ分析を力強くサポートしてくれます。
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Google Cloud Storage (GCS)
Google Cloud Storage (GCS)は Google が提供するオブジェクトストレージサービスであり、オブジェクトストレージとは「オブジェクト」という単位でデータを管理するストレージシステムです。
オブジェクトはデータおよびメタデータから構成されており、オブジェクトを格納するための場所は「バケット」や「コンテナ」と呼ばれています。オブジェクトに関してはサイズや数に制限がないため、大容量データを保存する際に最適なサービスとなっています。
GCS は画像やテキスト、動画など、様々な形式のファイルに対応しており、アプリケーションのニーズに応じて、何度でもデータを追加したり取り出したりできます。保存されているオブジェクトには、 ID やメタデータ、属性、そして実際のデータが含まれており、これらによって GCS は Web サービスの提供からデータ分析まで、様々なシーンで役立ちます。
また、 GCS の大きな特徴として高いセキュリティレベルが挙げられます。 GCS では、保存時・転送時にすべてのデータが自動的に暗号化されるため、手間なく安全に自社のデータを管理することができます。このように、 GCS はとても利便性の高いオブジェクトストレージだと言えるでしょう。
AlloyDB for PostgreSQL
AlloyDB for PostgreSQL は、要求の厳しいエンタープライズデータベースワークロードに対応するフルマネージドの PostgreSQL 互換データベースサービスです。
Google の強みと、人気の高いオープンソースデータベースエンジンの 1 つである PostgreSQL を組み合わせ、優れたパフォーマンスやスケーリング、可用性を実現しています。
まとめ
本記事では、データ分析に必要なスキルからオススメのツールまで、あらゆる観点から一挙にご説明しました。
昨今、データ量の増加や顧客ニーズの多様化に伴い、企業におけるデータ分析の重要性が高まっています。変化の激しい現代を生き抜いていくためには、膨大なデータを分析・活用し、自社自身も変化し続けなければいけません。
データ分析を行う上で必要なスキルは多岐にわたりますが、特定のスキルだけを学習するのではなく、「思考」と「技術」の2つの側面から、複合的な目線で様々なスキルを習得することが大切です。
また、データ分析を効率的に進めていくためには、データ分析ツールが強力な武器になります。データ分析ツールを導入することで、分析プロセスの効率化や生産性向上など、多くのメリットを享受できます。
市場には数多くのデータ分析ツールが存在しますが、せっかく導入するなら Google Cloud (GCP)がオススメです。 Google Cloud (GCP)に搭載されている BigQuery を使えば、データベースに関する専門知識がなくても膨大なデータを高速に分析できますし、他にも多彩なソリューションが用意されているため、あらゆるシーンで自社の業務効率化に寄与します。
本記事を参考にして、ぜひ Google Cloud (GCP)の導入および BigQuery の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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