次世代の BI ツールが進化中? Looker の2021年9月最新機能やアップデート情報を徹底解説!
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本記事は、2021年9月8日に開催された Google の公式イベント「データクラウドサミット」において、 Google Cloud Looker 事業本部のカスタマーサクセスマネージャーである水野智也氏と Google Cloud のパートナーエンジニアである小川祐希氏が講演された「新しいデータエクスペリエンスでビジネスの成長を加速させる〜データプラットフォーム Looker の最新機能〜」のレポート記事となります。
今回は、次世代の BI ツールである Looker の概要に触れながら、 Looker の2021年9月最新機能やアップデート情報を詳しくご紹介します。あらゆる観点からわかりやすく解説していますので、データ活用を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
なお、本記事内で使用している画像に関しては、データクラウドサミット「新しいデータエクスペリエンスでビジネスの成長を加速させる〜データプラットフォーム Looker の最新機能〜」を出典元として参照しております。
それでは、早速内容を見ていきましょう。
目次
Looker とは?
Looker は BI ツールの一種であり、データガバナンスの構築によってあらゆる部門・チームによる正しいデータの取得を可能にし、各種ツールとの連携までをカバーするデータプラットフォームとなっています。2019年に正式に Google Cloud (GCP)の一員となりました。
以下、企業内で集めた大量のデータを活用するためのプロセスを分解した図になります。この中で Looker は、データの分析から活用までをシームレスに繋げる役割を持っています。
一般的な BI ツールでは、集計や可視化の機能に特化したものが多いですが、 Looker はデータモデルの作成や集計、可視化、データ連携、データのエクスポートまで、幅広い範囲をカバーする機能を搭載しています。
ここまでご紹介した Looker の概要を踏まえて、次章以降では Looker の機能面における2021年9月の最新アップデートをご紹介します。今回、キーテーマとして挙げているのは、下図で色分けして記載している4つのポイントになります。
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
Looker の2021年9月最新機能1.ビジネススピードに合わせたデータエクスペリエンスの構築
昨今、多くの企業において利用するツールの数が増えたり、テクノロジーの幅が広がったりしています。これにより、膨大かつ多様なデータを取り扱う必要が出てきました。
本章では、いわゆる BI ツールの領域ではなく、 Looker を活用することで、より高度なデータ体験を高速に構築するための仕組みや機能をご紹介します。
Extension Framework
Extension Framework は、 Looker 上で動作する JJavaScript のアプリケーションを開発するためのフレームワークです。2020年にリリースされており、現在は一般利用機能として使えるようになりました。
Extension Framework を活用して開発を行うことで、自社でアプリケーションサーバーを用意する必要がなくなります。また、 Looker の API や認証、アクセスコントロールについても、簡単に構築することが可能です。
API エクスプローラ
API エクスプローラは、 Looker が提供する豊富な API を簡単かつインタラクティブに探して、実際に試すことができるエクステンションです。この API エクスプローラも、前項でご説明した Extension Framework で構築されたアプリケーションの一つです。
API エクスプローラを使えば、すべての API のメソッドについて、挙動の詳細や必要なパラメータ、レスポンスの定義、コピー&ペーストでそのまま使えるコードサンプルなどを簡単に確認することができます。また、必要なパラメータを入力すれば、 Looker に対して API を実行することも可能です。
開発者ポータル
開発者ポータルは、 Looker の開発者向けにオープンしたサイトです。このポータルサイトでは、 Looker の API やアクション、エクステンションなど、 Looker のアプリケーション開発に必要な情報を一元的にまとめています。
これまでは、多くの場所にドキュメントが散在しており、その中から必要な情報を探し出す必要がありました。しかし、開発者ポータルのリリースによって、必要な情報に素早く辿り着くことが可能になります。さらに、開発者同士が交流するコミュニティとしての利用も期待されています。
マーケットプレイス
マーケットプレイスは、 Google Cloud (GCP) の管理コンソールで提供されているカタログサービスです。このマーケットプレイスにおいて、パッケージ化された新しいプラグインが順次公開される予定です。
例えば、 Looker Blocks は、特定のデータソースを可視化するための LookML コードとダッシュボードのテンプレートとなっています。数多くのメジャーな外部ツールのデータに対応する Blocks が用意されているため、データ活用がうまく進んでいない企業には有効なソリューションであると言えます。
Looker の2021年9月最新機能2.パッケージ化された体験でビジネスを加速
先ほどご紹介した Looker Blocks のようにパッケージ化されたソリューションを提供することで、企業内のデータを素早く可視化し、 Looker Action と呼ばれる機能を使って、可視化の先のアクションにまで繋げていくことが可能になります。
Cloud Cost Management ソリューション
Cloud Cost Management ソリューションは、各種クラウドの請求データやリソース、ストレージなどを見える化できるツールです。クラウドデータへリアルタイムにアクセスでき、プログラマティックで賢いアクションを実行可能な点が大きな特徴となっています。
Looker Block for Google Analytics 4
2020年に Google Analytics 4が発表され、 BigQuery エクスポートの利用が可能になりました。これに伴い、 Looker の Google Analytics 4に対応する Looker Blocks をリリースし、様々な新機能が登場しています。
Looker Block for Retail
Looker Block for Retail は、リテールデータ用の Looker Blocks です。トランザクションアイテムレベルのテーブルに直接接続でき、小売組織のさまざまなチームに役立つダッシュボードとインサイトを提供します。
Customer Match Action
Customer Match Action は、 Looker で抽出した 1st パーティーデータ(ex:GA4)のセグメントやオーディエンス情報を直接 Google Ads に送信することができます。例えば、マーケターが 1st パーディーデータにアクセスして分析を行うことで、より的を絞ったセグメント作成が可能になります。
Looker の2021年9月最新機能3.より多くの人々により多くのインサイトを解放
Looker は「データを見るために、必ずしも BI ツールを使う必要はない」という考え方を持っています。それよりも、日常的に使うツールの中で普段の業務フローに組み込まれる形で自然とインサイトを得られるような世界観を目指しています。
本章では、このような観点から Looker の2021年9月最新機能をご紹介します。
Microsoft Teams Action
Microsoft Teams Action は、 Looker から Teams へ incoming webhook を使ってメッセージを送信できる機能です。例えば、日々の営業活動のレポートをチャットで受け取ったり、データの外れ値を検出することでアラートをチャット経由で受け取ったりできます。
Mobile App GA (一般利用機能)
Looker は iOS と Android でネイティブなモバイルアプリケーションを提供しています。そのため、外出先からでも自由自在に必要なデータにアクセスすることができます。バイオメトリクス認証によるセキュリティレベルの高さや日本語を含む22言語対応など、多くのメリットが存在します。
クイックスタート
クイックスタートは、事前に定義したディメンションとメジャー、ソートやフィルタをワンクリックで呼び出し、すぐにデータ探索を開始できる機能です。これにより、データ探索に費やす時間を削減することができ、業務効率化や生産性向上に繋がります。
カスタムフィールド
ビジネスユーザーがエクスプローラ上でカスタムフィールドを作成する機能についてもアップデートが行われました。テーブル計算がワンクリックで作成可能になったり、フィルタメジャーが GUI ベースで作成できるようになるなど、より便利に利用できるようになっています。
Looker の2021年9月最新機能4.大規模なデータエクスペリエンスを提供
昨今、 Looker はエンタープライズの規模で使用されるケースが増えており、それに伴ってホスティングの選択肢やクエリパフォーマンスを最適化するための仕組み、 LookML 開発者向けのツールなどについて、大幅なアップデートを行なっています。
ホスト環境の選択
Looker はマルチクラウドというテーマを掲げてサービスを提供していますが、今回のアップデートによって Google Cloud (GCP)、 Amazon Web Services (AWS) だけでなく Microsoft Azure へのホストが可能になりました。これにより、 Azure Cloud 上でデータをまとめている方はより便利に Looker を使えるようになります。
LookML 生成の拡張
LookML の自動生成機能にもアップデートが適用されており、初期プロジェクトの生成がより便利になりました。また、プロジェクトをより高速に利用可能な状態にできるようになり、データ探索を始めるまでの時間を短縮可能となっています。さらに、作業自動化による開発リソースの節約を実現できる点も大きなメリットだと言えるでしょう。
インクリメンタル PDT
インクリメンタル PDT を活用することで、 PDT を完全に再構築するのではなく、新しいデータだけを追加することが可能になりました。サポート対象のデータベースは多岐にわたり、 BigQuery standard sql 、 Mysql 、 Postgres 、 Redshift 、 Snowflake 、 Vertica 、 Azure Synapse など、様々なものが挙げられます。
LookML ダイアグラム
LookML ダイアグラムを使えば、 LookML で定義したモデルやエクスプローラをインタラクティブなダイアグラムで可視化できます。定義したビューの結合条件や LookML に定義した各オブジェクトの詳細情報を確認することも可能になります。
まとめ
本記事では、次世代の BI ツールである Looker の概要に触れながら、 Looker の2021年9月最新機能やアップデート情報を詳しくご紹介しました。内容をご理解いただけましたでしょうか。
Looker は日々進化を続けており、うまく活用することで企業の生産性向上に大きく寄与するツールです。ビジネススピードに合わせたデータエクスペリエンスの構築やビジネスの加速、大多数に対するインサイト解放など、様々な観点から企業の成長をサポートします。
ただし、 Looker は、導入したからといって効果が発揮されるものではありません。誰が何のために使うのかを明確にし、データを準備する必要があります。導入後は、そのままにするのではなく、分析精度向上に向けた取り組みをおこなうことでより効果が発揮されるのです。
本記事を参考にして、ぜひ Looker の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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