仮想化とは何か?クラウドを支えている基礎技術を徹底解説!
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近年、多くの企業がクラウドを採用しており、事業拡大のためにクラウドは必要不可欠なものとなりました。クラウドという言葉を概念的に理解している方は多いと思いますが、クラウドを支えている技術についてはご存知でしょうか。
本記事では、クラウドの仕組みを実現するための「仮想化」について、基礎的な内容からメリット、デメリット、代表的なサービスまで、一挙にご説明します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
クラウドとは?
クラウドとは「インターネット上の仮想基盤」を意味する言葉です。PCやスマホなどの端末にデータを保存するのではなく、インターネット上に存在する仮想空間(サーバー)に保存して、運用することを「クラウド化」と言います。
クラウドと対比的に使われる言葉が『オンプレミス』です。オンプレミスは、サーバーやネットワーク機器を物理的に自社に設置して、システム構築・運用する形態のことを指します。
オンプレミスでは、膨大なコストや長い開発期間がネックになっていましたが、クラウドは既に完成している環境を利用するため、コストを抑えることができ、サービス契約後すぐに使い始めることが可能です。
このように多くのメリットを得られることから、現在は多くの企業がクラウドを採用しています。次章では、クラウドを実現するための「サーバーの仮想化」について、詳しくご説明します。
サーバーの仮想化とは?
サーバーの仮想化とは、ソフトウェアを利用することで、複数の仮想的なサーバーを物理サーバー上に構築することです。構築された仮想的なサーバーは「仮想サーバー」と呼ばれます。
仮想化において、物理サーバーはあくまで1台しかないため、 CPU やメモリなどは1つしか存在しません。しかし、仮想化の技術を活用することで、仮想サーバーごとに CPU 処理量やメモリ容量を振り分けることができ、それぞれの仮想サーバーを独立したサーバーのように動作させることが可能になります。
仮想化技術はクラウドを陰で支えている存在であり、いまや仮想化は多くの企業にとって必要不可欠なものとなっています。
仮想化技術の種類
統合
「統合」により、複数の IT 資源を1つに見せることができます。例えば、スペックが低いものでも、多く集めることで高いパフォーマンスを発揮します。
リソースの増減も自由に行うことができるため、状況に合わせた効率的なリソース活用が可能になります。
分割
統合とは逆に、特定の IT 資源を複数に分ける技術を「分割」と呼びます。数が多くなるほど、リソースの単価は安くなるため、大容量なメモリを購入して分割することで単価を下げられるというメリットがあります。
統合と分割の合わせ技
仮想化により、自社の状況に合わせた最適なリソース配分を実現できます。分割した IT 資源を統合したり、分割したりすることで、自由自在にリソースを調整することが可能になります。
仮想化の仕組み
仮想化の仕組みは「ホスト OS 型」、「ハイパーバイザー型」、「コンテナ型」の3つのパターンに分類されます。以下、表でわかりやすくまとめました。
ホスト OS 型 | 物理サーバー OS (ホスト OS )にインストールした仮想化ソフトウェア上に仮想サーバー(ゲスト OS )を構築する仕組み |
ハイパーバイザー型 | 物理サーバーのハードウェア上に仮想化ソフトウェア(ハイパーバイザー)を直接インストールして、仮想サーバーを構築する仕組み |
コンテナ型 | ゲスト OS を起動せずにホスト OS とコンテナエンジンで動作させることで、アプリケーションに必要なものをまとめたコンテナを1つの仮想スペースとする仕組み |
上記の通り、各パターンごとに異なる特徴を持っているため、処理性能にも差があります。
ホストOS型は、仮想サーバーがホスト OS を介してハードウェアに接続するため、無駄な処理が発生します。
一方で、ハイパーバイザー型はホスト OS を経由することなく、仮想化ソフトウェアを介してハードウェアに接続します。そのため、無駄な処理を抑えることができ、高いパフォーマンスを発揮することが可能になります。
最後に、コンテナ型はゲスト OS を必要としないため、負荷が小さく動作も速いという特徴を持っています。
ホスト OS 型は古くから存在している仕組みですが、パフォーマンス面で課題が残るため、現在はハイパーバイザー型が主流になっていることに加えて、最近ではコンテナ型を採用する企業も増えています。
仮想化のメリット
コストが削減できる
本来、複数の物理サーバーを用意するためには多額の投資が必要になりますが、仮想化によりコストを抑えることができます。分割技術で IT 資源を分けることでリソース単価を下げることができるため、無駄な出費を抑えられます。
可用性が高い
可用性とは、サービスが安定して稼働することを意味する言葉です。仮想環境は物理的なハードウェア構成に依存しないため、仮に機械トラブルが発生しても、別の物理資源に処理を切り替えることで、安定的に運用を続けることができます。
スケールが自在にできる
スケールとは、リソースなどを自在に拡大縮小することを意味する言葉です。仮想化の統合・分割の技術を活用すれば、自由にリソースを増減することができます。そのため、自社の状況に合わせて、あらゆる環境に対して柔軟な対応が可能になります。
仮想化のデメリット
リソース管理が困難になる
複数のサーバーを仮想化してまとめることで、仮想サーバーは物理サーバーのリソースを共有する形になるため、リソース管理が難しくなります。想定外のリソース不足に陥らないように、物理サーバーは余裕を持たせたスペックを選択しておきましょう。
処理性能が低下するリスクがある
仮想サーバーは仮想化ソフトウェア経由でハードウェアに接続します。そのため、仮想サーバーのパフォーマンスは、物理サーバーよりも劣ってしまうことが多いです。仮想化は多くのメリットがありますが。処理性能が低下する点はデメリットの一つだと言えます。
強固なセキュリティ対策が必要である
仮想環境においては、あらゆる OS やアプリケーションを導入できるため、強固なセキュリティ対策が求められます。とはいえ、クラウド事業者は十分な対策をした上でサービスを提供しているため、そこまで不安になる必要はありません。自社の求めるセキュリティ要件を明確にし、サービスの仕様を踏まえて検討してください。
代表的な仮想化サービス
仮想化の技術は、サーバー以外にも幅広く活用されています。代表的なものをいくつか挙げておきます。
仮想デスクトップ
従来、会社の PC 環境にアクセスするためには、会社用の PC を立ち上げる必要がありましたが、仮想デスクトップを利用することで、別端末からも会社のデスクトップ環境にアクセスすることが可能になります。
仮想デスクトップは端末にデータを残さないため、セキュリティ対策の一環として効果を発揮します。また、ソフトウェアインストールなどをすべての物理 PC に行う必要がなく、サーバーで一括管理できるため、コストや運用負荷の削減にも直結します。さらに仮想デスクトップを利用することで、安全なテレワーク環境を整えることができます。
仮想ストレージ
本来、ストレージを採用するときは、データ量を想定した上で余裕を持った容量を準備する必要がありました。しかし、結果的に使わなかった場合、余った容量は無駄になってしまい、余計なコストが発生します。
仮想ストレージを使えば、物理的な容量を超えて仮想容量をサーバーに割り当てることができます。そのため、初期費用を最小限に抑えながら、必要なときは自由に容量を追加することが可能になります。
仮想ネットワーク
通常の物理的なネットワークの場合、ハードウェア同士をケーブルで繋いで接続しますが、仮想ネットワークはインターネット経由でコンピュータやサーバーを接続し、ソフトウェアで管理します。
従来は必要となっていた物理的なネットワーク機器を仮想化できるため、ネットワーク構成を含めた様々な変更作業を効率化することができます。例えば、状況に応じて機器を交換せずにネットワークを修正することも可能です。
まとめ
本記事では、クラウドを支えている「仮想化」について、詳しくご説明しました。
様々な状況に対して、柔軟に対応できる仮想化は、変化の激しい現代において、まさに必要不可欠な技術であると言えます。サーバーの仮想化はもちろんのこと、デスクトップ、ストレージ、ネットワークなど、様々なものが仮想化され、サービスとして提供されています。
本記事を参考に、ぜひ仮想化サービスを検討してみてはいかがでしょうか。
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