広告レポート業務で抱える課題に対して Google ソリューション導入支援と開発力で貢献。
左から 【株式会社 博報堂DYメディアパートナーズ】 統合アカウントプロデュース局 デジタル戦略推進部 細見 光弘 氏 / 統合アカウントプロデュース局 デジタル戦略推進部 飯澤 江利 氏 【株式会社トップゲート】 System Solution Division / Tech Club / Manager 鈴木 達彦 / System Solution Division / PMO Section / Leader 赤間 正 / System Solution Division / Solution Section / Manager 松田 基数 掲載日:2019/12/11
広告レポート業務の課題解決施策として Google ソリューションを導入
広告レポート業務のスピードや正確さが求められる広告会社において、時間と工数の削減によるコストパフォーマンスのコントロールや、業務効率化は重要な課題である。
博報堂DYメディアパートナーズのデジタル系部門では、これまで広告レポート作成業務のみで多くの業務時間を取られるケースがあり、効率化を図る必要があった。
同社統合アカウントプロデュース局 デジタル戦略推進部が実施した、Google Cloud (GCP)活用による広告レポート作成作業の自動化を実現するためのプロジェクトもその取り組みのうちの一つである。
細見氏
広告レポート作成作業の自動化の方法は様々ありますが、システム構築のインフラを選定する基準としてデータ抽出 ETL、DWH (データウェアハウス)、ビジュアライズなどがある中で、複数のクラウドサービスを比較したところ DWH のコストパフォーマンスとして BigQuery が優れていたので、Google Cloud (GCP) を採用することにしました。
飯澤氏
高度な専門知識を持ったデータサイエンティストでなくても、基本的な知識さえあれば比較的簡単にダッシュボードを作ることができ、かつデータポータルには私たちが求めている機能がすべて備わっていると判断し、 Google Cloud (GCP) に統一していくことを決めました。
数ある Google Cloud (GCP) 関連のパートナーから トップゲートを開発パートナーとして選定してくれた決め手はどのあたりだったのだろうか?
細見氏
もちろん他社パートナーとの比較は慎重に行いました数ある事例も参考になりましたし、実際に相談を持ち掛けると、こちらの要望に対するレスポンスの速さやフロントに立ってくれた方の知識量が多く安心しました。私たちに専門的な知識が少ない分、親身に相談に応じながら並走してくれそうな印象を持ちました。
よりよいものが作れるように、随時改善しながら開発を進められたところも成功したポイント
こうしてスタートしたプロジェクトだが、立ち上げ段階では苦労する場面も多く見られました。
細見氏
媒体にごとにレポート項目や、データ形式が違うので、まずテーブルを整理するところから始めなければいけませんでした。例えば動画広告の視聴を示すデータの場合何%見たか割合で示す媒体もあれば、何回再生したか回数で表す媒体もありデータが異なる場合はまず単位をそろえるなど1つの Raw データにしていく作業が必要になりました。
このフェーズでは トップゲート側でも目視による確認や、人力でのデータ整理、広告業界ならではの用語の理解など両社協力しながら進める必要があった。
飯澤氏
用語集を作成したり開発を進めたりする上で必要なことをお互い自主的に整理しながら行いました。リモート会議なども行いながら、限られた時間の中で密にコミュニケーションを取りながら進められたこともやりやすかったです。
実際に動かす画面を一緒に触りながら細かいチューニングを行い、よりよいものが作れるように開発が進められたところも成功したポイントだ。システム開発はトップゲート、課題把握は博報堂DYメディアパートナーズで、という役割分担もしっかりとできていた。
細見氏
進めていく中で「クエリの実行時間が長く、ユーザビリティを改善したい」という相談をしたところ、新機能のスケジュールドクエリを使用する策など、最新情報もキャッチアップした上での提案をしてくれたので、良いものが出来上がっていく実感がありました。また運用する中で、常にコストパフォーマンスを意識したスタンスで進めてもらえた点もよかったです。
実際の運用や課題を意識した最適なシステム構成の提案
ツールからのダウンロードやメール添付。レポート形式のパターンへの対応や既存ツールとの連携がある中での自動化にどのように対応したのだろうか
TG鈴木
事前にシステム構成イメージを共有いただいた上で任せていただけたので効果的なシステム構成で構築できました。イベント起点の処理や、BigQuery のビュー機能を活用し、データが反映されるまでの時間の短縮とコストパフォーマンスの両立を心がけました。
TG赤間
Google Cloud (GCP) サービスやデータ解析を支援するライブラリのエコシステムが揃っていたのでアーキテクチャを選定しやすく、しっかりそのアーキテクチャがはまったので実装コストも下げることが出来ました。
時間と工数の大幅な削減に成功。今後の展望について
実際に完成したレポート作成作業の自動化システムを運用して、時間や工数を削減し、業務効率化を図ることができ、実際に作業を行う現場の担当者からも好意的な声が多く寄せられた。また運用した結果 Google Cloud (GCP) のメリットを再確認することが出来た。
飯澤氏
作業時間と工数の大幅な削減に成功したことで博報堂DYデジタル当初に社内で表彰を受けました。立ち上げ当初に比べ、企業ごとのダッシュボードを1から作成していましたが基本要素の入ったテンプレートを複製、チーム員も以前と比較してツールに慣れたことでダッシュボードの作成効率も上がりました。また、広告主企業側からもダッシュボードを見られる環境にしたことで、コミュニケーションが円滑に進むようになりました。
細見氏
Google Cloud (GCP) はこちらが求めていたスケールのしやすさやコストパフォーマンスのこだわりに応えてくれたと実感できました。クリエイティブ別やターゲット別など、大量のデータを保持する必要があったので、その面でもコストパフォーマンスの良さは助かりました。
細見氏
今後も Google のツールやシステムを活用していろいろな挑戦をしてみたいと思っています。 例えば蓄積したデータの有効活用レポートだけでなく、機械学習の活用も見据えながら広告主企業に対して新しい提案ができればと考えています。
Google Cloud Japan 公式ブログにも掲載されております。
URL : https://cloud.google.com/blog/ja/topics/customers/hakuhodo-dy-media-partners-gcp